この作者さんは、本当に描写に力を入れている方で、この作品でも存分にその繊細な筆致を堪能できます。旅行誌のメイン特集記事に添えられている文章のような、さりげなく、それでいて「その土地に行ってみたい!」と思わせるような、情景がありありと浮かぶ作品を書かせると、この人はうまいです。