第5話 微笑ましい光景

「デッキ買ってみたよ〜」

「お、そうか!じゃあ早速俺と対戦してみるか」

「うん、いきなり新田くんとやって勝てるかな?」

「勝てるかどうかは気にすんな。今はどんなルールか覚られればいいからな」

「うん、ありがとう」

「あ、ちゃんと説明書は開いとけよ。その方が説明しやすいし

理解も早いだろうしな」

「えっと、説明書だよね。ちょっと待って」


ストラクチャーデッキのケースの中にはメインデッキ40枚、サイドデッキ50枚

プレイマットに説明書が入っていた。


「なんか、たくさん入ってるね」

「あ、そうか。初心者だからプレイマットも使った方がいいよな」

「プレイマットって?」

「ほら、こうやって広げるとこのシートに枠が書いてあるだろ」

「本当だ」

「これはどのカードをどの場所に置けばいいのかが書いてあるんだ。

メインデッキを置くスペースとサイドデッキが置くスペースは

ここに書いてあるように場所が違うんだ」

「何をどこに置くか決まってるんだね」

「そうだな。これにはメインデッキ、サイドデッキ2つのデッキを

置く場所とメインデッキのカードを置く場所、サイドデッキのカードを

置く場所もそれぞれ書いてあるんだ」

「これあると分かりやすいね」

「慣れてきたらこれを使う必要も無くなるけどな」

「うーん、どうやってゲームを進めたらいいのかな?

自分でやるとなるとちょっと分からないんだけど」

「そのための説明書だ。あとはこれを見ながら覚えていけばいいさ。

まあ、習うより慣れろだ。まずはやってみようぜ」


僕には微笑ましい光景に見えた。

初心者の人でもこうやってカードゲームの世界を楽しむことができて

お互いを理解しあえる。

とても充実した時間だった。

デッキを亡くした時はカードゲームをもうやりたくないって少し

思ってたところもあるんだ。

でも、こうやって色んな人とつながることができて

本当に続けてみてよかったと思えるんだ。




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