第6話 こうやってつながる

「じゃあ、この4枚のサポートカードを全部使って攻撃するね」

「マジかよ…負けた」

「リョ、リョウくん…」


リョウくんと天野さんの対戦はこれで10回目だった。

ルール覚えたての天野さんは最初は当然カードの使い方が分からず

リョウくんのアドバイスを元にやってたけど、それで途中から天野さん自身で

やるようになってそれでこの10回目でリョウくんに勝ったんだ。


「やったー勝ったよ〜。勝てると嬉しいなー」


天野さんはメインデッキのカードの使い方はそんなに上手くは無かった。

でも、サポートカードの使い方は回数を重ねてくうちに

結構上手くなっていったんだ。


「天野、お前サポートカードの使い方うまいな」

「うん、私数学が得意だからこういう計算はちょっと得意なんだ。

それにどんなカードでもサポートカードの使ったら強くなれるから

やってて楽しいね」

「はあ、こりゃ俺もまだまだ修行足らずってところだな。はははは」


僕も思わず笑ってしまった。

僕はサポートカードの使い方がとても苦手だったんだ。

メインデッキのカードを使うのはちょっと得意なんだけど

いざという場面でどのサポートカードを使えばいいか分からなくて

大事な場面でよくミスをしちゃうんだ。

でも、リョウくんと対戦したり、大会に何回か出るうちに

少しずつだけど上手くなってきたんだ。


「そうだ、次は倉田くんと対戦してみたいな」

「僕と?いいのかな?」

「マモルやってみろよ。天野は結構やると思うぜ」


女の子と対戦するのは始めてだったからちょっと緊張した。

天野さんのデッキは買ったばかりのストラクチャーデッキだったから

戦ってて少し気が楽だったんだ。

でも、サポートカードの使い方が上手で僕も戦ってて

驚かさせることがよくあった。


「あーあ、負けちゃったか」

「天野さん。サポートカードの使い方うまかったよ。これならリョウくんが

負けたのもわかる気がする」

「おい、マモルくん?それは俺をからかっているのかな?」

「あ、ごめん」


リョウくんの鋭い眼光が僕に向けられる。ちょっと気まずい。

苦笑いして少し反省した。


「今日はすごく楽しかったよ。ありがとう。また明日学校でね」

「おう、じゃあな」

「天野さん、じゃあね」


天野さんはそのままカードコーナーから離れていった。

今日1日でまた新しい出会いがあって、僕はまた新しい世界を知ることが

できた気がする。

好きなことで人と仲良くなれるのがすごく楽しかった。

これからも色んな人と交わっていきたいと思った。




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