第3話 新しい出会い

デパートのカード大会に向けて僕たちはこっちのカードコーナーによく

来ることになった。

家までの距離は駅前のカードショップと大して変わらなかったんだ。

それでもいつも通ううちにここでいつもカードをしている人達と

話す機会も生まれたんだ。

それがとても楽しかった。


「今日もついたな」

「今日はいつもより人が多いね」

「おい、あれ確か同じクラスの…」

「あ!確か天野カヤさんだよね」


天野さんはカードコーナーのカード展示コーナーを歩き回っていた。

見ている感じ、カードにはそんなに詳しくないように見えた。

というより何か困ってるようにも見えた。


「よお、天野。お前もカードに興味があったのか?」

「あ、えっと…誰だっだかな…」

「新田リョウだ…」

「そうだ、新田くんだよね。そっちの人は倉田マモルくんだよね」

「うん、天野さんも何かカードを探してるの?」

「実はね、親戚の子がカードが好きで、私もちょっとやってみたいなって

思ってるんだけど、何を買えばいいのか分からなくて…」


そういえば僕も初めてカードを始めた時は何を買えばいいのか分からなかった。

その時は店のオリジナルデッキを買ったんだけど、ここには置いてなかった。


「リョウくんは何を買えばいいか分かる?」

「そういうことなら任しとけって。こっちだ」


リョウくんに連れられ僕と天野さんはパックが置いてあるスペースの

ところについた。


「リョウくん、ここパック売り場だよね。パックを買ってデッキを作るの?」

「いやいや、それだとデッキのバランス悪いし、サポートカードが揃わないから

サイドデッキも作れないじゃん」

「そういえばそうだよね」

「だからこういう時はストラクチャーデッキを買えばいいんだよ」


リョウくんが指差したところにはメインデッキ40枚とサイドデッキ50枚が

入っているカードデッキが売られていた。


「私、これ買えばいいのかな?」

「初心者にはこれがオススメだな。デッキのバランスもいいし、

このカードゲームはサイドデッキがゲームの要になるゲームで

サイドデッキはみんな同じような中身だから始めたばかりの奴でも

充分楽しめるようになってるんだ」

「デッキ2つで90枚も使うんだ。ルールとか難しいそう…」

「このストラクチャーデッキにはこの2つのデッキだけじゃなくて

このゲームのルールが書いてある説明書もあるんだぜ」

「そうなんだ」

「実際に見た方が分かりやすいか…。おい、マモル」

「どうしたの?」

「天野に俺たちの対戦を見せてやらないか?」






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