第15話 いざ、函館へ

 導入研修も終わり(終わらせてくれ)、いざ飛行機で函館へ。

 真っ先について行われたのが、店舗挨拶。

 函館に配属される8名(全員男子)はここで6か月間、最初のカリキュラムを受け、パチンコ店員としてのイロハを覚える。

 1000台規模のこの店は、全国チェーンであるわが社でも珍しく、店長も2名体制。慣れると何も感じなくなるが、最初はコースを覚えるだけでもしんどい。


 さて、いきなり新人がホールに出るのか、といったらそうではない。中小企業なら即ホールかもしれないが、大手では講義室みたいな場所で基本的な知識はまず詰め込まれる。そして笑顔であることを条件に、ようやくホールに立つのだ。


 従業員の数がクルー(アルバイト)を含め40名以上になるこの店舗は、人と名前を一致させるだけでも覚えるのが大変だ。店舗に入ったころは、8人全員が従業員紹介表を見てたのが記憶に新しい。

 最初の一か月はそれこそ、ずっとパチンコ店の一室で8名とトレーナーとなる上司でパチンコの基礎を覚えさせられた。

大当たりの仕組みや、パチンコ店の情報、利益率、電話番号等、一般知識はもちろん、わが店舗の特性や、客層、景品に至るまで、頭に詰め込まれた気がする。

最も、俺はほとんど覚えていないが。

 さて、いよいよオペレーションに組まれる事となり、ホールを巡回することになる。果たして俺は、無事に接客することが出来るのだろうか。

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