第14話 地獄の7日間研修 3

 思い出したくない。ここからは悪夢だ。


 1班。全18人、男13人女5人は、7日間地獄を見たはずだ。


 まず、内定者研修を受けた自分にとって思い知らされたのは温度差。

 以前では内定者は神様扱いだったのが、この研修ではゴミ以下の扱い。

 そして、笑いが無い。当然だ。

 班員が一室に集めれて第一声に班長みたいな立場の教官が一言

「あなたたちは社会人になりました。」

 みたいなことを言ったことを覚えている。もしくは覚えていない。

「そこで、身だしなみのチェックを行います。」

 まず、社会人の一歩目として大事なのは身だしなみだ。

 見た目一つで印象が変わる。当然といったら当然だが、そこの身だしなみチェックとやらはやたら難癖をつけて、ただ無意味に怒るだけの場所だった。

 全員、爪やらズボンの裾やら頭髪やら髭の濃さやらメガネの色やら何から何まで指摘される。無指摘だったやつはいない。

 私は出発前夜に母親が直してくれたズボンの裾の長さを指摘され、この会社は終わってると実感。チェックが終わった後に教官から

「どういうことですか?社会人にもなって身だしなみのひとつも出来ていない。

 以下罵詈雑言、トラウマにより記憶消失」


 すみません。無理です。この7日間は本当に地獄でした。

 その後のプログラムは企業理念の唱和とか(ノーミス、噛んだら一からやり直しでクリア、尚他の班は甘かった模様)

 なにをやったかも覚えていません。(なんか社会人として接客マニュアルとか?)

 寝る時間を削って宿題課題は当たり前、睡眠時間は皆無。

 1週間終わった後に残ったのは燃えがらで、「なんで元気ないの?」とかいう上司は気が狂ってるようにしか思えませんでした。

 なんか終わって最後歌を歌うのですが、その時感動して涙流すあばずれ共は本気で殺意沸きました。

 班員の女が可愛ければ多少マシだったかもしれませんが現実は甘くなく、もれなく全員どんぐりで一人は中国人という始末で最悪(もう辞めたらしい)そして方言がきつかった女の子はこの研修をもう一度やりたいとかいう気の狂いっぷり。M属性の極みだと思います。

 毎日難癖を付けられては当然のように怒られ、社会人として~やらあなた達はお給料をもらって今研修に参加している~とか言われ、怒られるだけです。

 今でも仕事はいかに怒られないようにするために働いているようなものです。


 ただ、こういう気の緩んだところを引き締めるために行われる研修は大手なら十中八九あると思います。豆腐メンタルの私では精神が崩壊しかけました。

 研修は如何にあなた達の心を折り、奴隷精神を培ってもらう場にすぎません。

 私の様にならないよう、皆さんは自分を持ち続けてください。

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