第12話 地獄の7日間研修

 2015年4月1日。某県にある研修施設に、俺は確かにそこに居た。

 その研修施設では6人相部屋で、ぶっちゃけ50音順で部屋割りがされていた。

 ここで気掛かりなのが、周りは見知らぬ人ばかりということだ。

 実は新入社員同士知らない顔がいない訳でもなく、ここに来ることが初めてでもいうことではなかった。

 入社までの間に内定者研修と称し、内定をもらっても入社を決めかねている人たちに少しでも会社の事を知ってもらう目的で、交通費を全額支給してもらい任意で研修に参加できるプログラムがある。私はそれに参加していた。

 そこでは人事担当者ぐらいしかおらず、いたって平和。

 同期となるであろう仲間たちと楽しく会話し、楽しい旅だったことを思い出す。


 しかし、今回自分のみ北海道に配属が決まったという事もあり、移動先は関東地区での研修となった。以前そこで知り合った仲間、もしくは同じ広島での内定者は関西の施設での研修となり、自分だけぼっちができあがっていた。

 そんな中、新顔同士挨拶を済ませる。お互いに緊張しているようだった。


 プログラムの開始時間と共に、悪夢のような7日間の導入研修は幕を開けた。

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