第9話 初めてのパチンコ5

 俺は観音ハリウッド1000にいた。何だかんだ、ここが地元じゃ一番出る。

 俺は初めて4円パチンココーナーに足を踏み入れた。

 当時このコーナーの景色は絶景だと今でも思う。通路には山積みなったドル箱。もはや置き場所は通路を圧迫し、その狭き通路の中では店員が右往左往し箱おろしの繰り返し。

 確か俺が最初に座った4円パチンコの台は、「牙狼金色になれ」か「牙狼FINAL」のどっちかだった気がする。もしくはひぐらしのライトミドルだったか。

 いずれにせよ、1000円があっという間に溶けたという記憶しかない。

 俺はこの狂気とも思える空間になぜこんなに人がいるのだろうか?と本気で不思議に思った。

 いずれにせよ、牙狼で初当たりを引き、それが単発であれ約7~8000円くらいになる(当時は等価)ってもんだから驚きだ。

 大学の近くに出来たサンズビクトリーにもよくお世話になった。

 確か咲のライトミドルを友人と打ったのもいい思い出であり、出玉も貸してもらったっけ。5万も借りてたと思うとマジで狂気だよ。

 涼宮ハルヒがパチンコで出ると知った時、俺はびっくりした。俺のためにタイミングを待っててくれたのかと思った。その頃は化物語なんかもパチンコで出たし、咲なんかもそうだし、アニメがパチンコの新しい火付け役になるんじゃないかって時期だったっと思う。

 涼宮ハルヒで21連をかまし、約10万の金が財布に入った時には俺は死ぬんじゃないかと思った。小学生では100円が大金、中学生ではお小遣い無しで野球に明け暮れ、高校生では1万円があるだけで俺はこの世の支配者になったと勘違いしていたくらいだから、その金額は異常だった。

 もっとも、大学に入ってバイトも始め、ある程度自由に使える金がパチンコってなると、金銭感覚の崩壊に陥るわけだ。

 俺はパチンコという麻薬に、どっぷり漬かってたのだった。

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