第16話 はじまりの魔法
「そういえばカルテって帰って来たの?」
将也がペンを回しながらアヤに聞いた。
「それはわかりませんね。あの子はすぐに寄り道したり、走り回ったりしているので何をしているかはわかり兼ねます。でも、人間に襲われてやられることは絶対にないですよ。」
前にも思ったが、カルテの魔物としての信頼はかなりのものである。
「そうなんだね。」
将也はペン回しをやめ、また勉強に戻ろうとした。
すると、急に図書館の扉が開き、カーズが走って来た。
「あら?門番がこんなところになんの用かしら?」
アヤがそう言ったが、近づいてきたカーズの顔が緊急事態であると訴えている。
「魔王様!大変です!!カルテが今にも死にそうなんです!!」
いつもは物静かで冷静なカーズが息を切らしながら話した。
「えっ?」
「今、彼女を寝室のベッドに運びましたが、いつ息を引き取ってもおかしくない状況です!」
「魔王様。私は先に向かいます。」
そう言ってアヤは物凄いスピードで図書館を出て行った。
将也は突然のことで状況が飲み込めず、放心状態になっていた。
「魔王様。私達も行きましょう。」
「あっ!うん。」
将也はカーズとともに駆け足でカルテの寝室に向かった。
階段を駆け上り部屋の前に行くと、アヤが部屋の前でアリスの胸ぐらを掴んで空中に持ち上げていた。
「あなたがカルテをやったのね....この城に入って来た人間は殺してもいいことになっているの。」
「ごめんなさい.....ごめんなさい......」
アリスは力なくずっと謝っている。
「なんでアリスがここに?」
アリスは横目で将也を見た。
「君こそ...なんで....」
涙を流しながらアリスは呟いた。
「魔王様の知り合いですか?こいつがカルテをあんな姿に.....」
「ごめんない.......ごめんなさい.......ごめんなさい.......」
アヤが何を言っても、アリスは力なく謝るだけであった。
「この部屋にカルテがいるんだね。様子を見てくるよ。」
将也はドアを開けようとした。
しかし、アヤがアリスを離し、将也の腕を掴んだ。
「魔王様をここに入れるわけにはいきません。その...魔王様みたいなお方にはショックが強過ぎるので絶対にここには入らないでください。」
アヤが目に涙を浮かべながら言ったので、将也は部屋に入るのを諦めた。
すると反対側の廊下からニアとゴル爺がやって来た。
「ゴル爺を呼んで来たよ!!」
ニアは駆け足であったが、ゴル爺はゆっくり歩いてきていた。
「ゴル爺、カルテのことお願いします。」
アヤがゴル爺に深く頭を下げ、懇願した。
「できる範囲で治療してみるのう....」
ゴル爺が扉を開けて中に入ろうとした。
アヤとニアも一緒に入ろうとしたが、アヤが将也の方を向いて話した。
「いいですか魔王様。魔王様は大人しく勉強でもしていてください。」
そう言ってアヤが部屋に入って行った。
その瞬間、将也は部屋の中が見えてしまった。
ベッドの上にはボロボロになり、体中から出血しているカルテらしき人物が横たわっていた。しかも、腕や足が曲がるはずのない方向へ曲がり、骨が皮膚を突き破り、背骨も骨折しているのか、くの字のように体が折れ曲がっていた。
パタンと静かに扉が閉まり、廊下には将也とアリスの2人きりになった。
「アリス....君がカルテをあんな風にしたの.....?」
「ごめんなさい.....私のせいで.....」
アリスは廊下で小さく座り込んだ。
「もう謝らなくていいから何があったか教えて。」
将也がそう言うと、アリスは弱々しく経緯を話した。
部屋の中ではゴル爺がカルテの容態を見ていた。
「これはかなりまずいのぅ....彼女は魔力が強いからまだ死んでおらんという感じじゃが、もう時間の問題じゃ.....」
「ゴル爺治せないの!?」
ニアが今にも泣きそうな顔をして言った。
「すまんのぅ....若いころのワシならどうにかできたかもしれんが、今のワシの魔力ではどうすることもできん....」
魔王城には多くの魔法を使う魔物がいるが、治癒魔法を使えるのはゴル爺しかいない。ようするに、もうどうにもすることができない。
「じゃあ....カルテは.....」
アヤは口元を押さえて涙を流しながら言った。
「助ける方法は1つしかないのぅ...パルメさんをここに呼ぶことじゃ。」
「パルメを?」
助ける方法と聞き、アヤとニアは顔を上げた。
「そうじゃ、パルメさんの魔法ならカルテを助けることができる。じゃが、パルメさんはいつ、どこで、何をしているかわからない人じゃ、ニアの魔法を使っても探すことは簡単な話ではない.....」
ゴル爺が俯きながら言った。
「わかった!今から探してくる!!」
「タイムリミットは.....30分じゃ.....」
ニアとアヤは部屋を出た。
「カルテは大丈夫なの?!」
将也がアヤに聞いたが表情を察するに状況は悪いらしい。
「あなた名前はなんていうの?」
アヤが冷たい声で聞いた。
「アリス......アリス・ミルティー.....」
「そう、アリス。今から私達と武神を探しに行ってもらうわ。30分で見つけることができなく、カルテが死んだ場合は私があなたを殺すからね。」
将也はこんなにも冷たく、恐ろしいアヤを初めて見た。
「王国に繋ぎましたよ!早く行きましょう!!」
ニアが魔法を使い、廊下には黒い塊が出現した。
「僕も行くよ!」
将也が大きな声で言った。
「魔王様はここに居てください!」
「いやだ、僕も力になりたい。こう見えても魔王なんだ。」
将也は負のオーラを出すアヤに負けじと言った。
「わかりました。ですが今回は魔王様をお守りする暇はありませんよ。」
そう言ってアヤが黒い塊に飛び込み、後の人達も中へ飛び込んでいった。
「パルメは、武神様はいつもはどこにいるの?」
将也がアリスに聞いた。
「そうだな、私は会ったことは無いがよく国王の大きな城にいたり、行きつけの店にいたり。あとは魔物を討伐しに行ったりしているらしい。」
「それでは私とニア、魔王様とアリスの二手に分かれましょう。ニアお願い!」
「うん!」
するとニアが魔法を使った。
将也とアリスは一瞬で王国の城にやって来た。しかも城内の廊下に出た。
「アリス、ここがどこだかわかる?パルメの場所は?」
「すまない。ここには数回しか来てないのだ、それに私は方向音痴であるし.....」
とりあえず将也は目の前にある扉を開けた。
「きゃっ!ノックもなしに急に開けないでください!」
扉の先には見覚えのある金髪の少女がいた。
「エリー!ちょうどよかった!!」
「あれ?なんで魔王さんがここにいますの?」
エリーは首を傾げていた。
「事情を話している時間がないんだ。この城に武神様はいるかい?」
「いえ、今日は見えませんね。それより後ろの黒いのは何ですか?」
将也は振り返った。
将也の後ろにはニアの魔法の黒い塊がふよふよ浮いている。
「そっか....これがニアに繋がっているのか。エリーありがとう。じゃあまた!」
そう言って将也は黒い塊に入って行った。
繋がっていた先は、まるやの店の前だった。
「魔王様どうでしたか?この店には来ていないようです。」
「城にもいなかったよ。あとどこを探せば.....」
それからあちこちと探したがパルメの情報が無く、時間だけが過ぎて行った。
「アリス。他に心当たりはないの?」
「すまない....」
4人は探すところが無くなってしまった。
「あっ!」
将也に一つだけ心当たりがあった。
「パルメってお店を出してるんだよね?そこに行ってみよう!」
それから町の人に聞き込みをして、武神が開いている店にやって来た。
店の名前は『ヤイバ』であった。
将也が店のドアを開けた。
「いらっしゃい!!お客さん運がいいよ!今日は珍しく開店してるから!!」
店の中には緑の髪をした、将也達が探していたパルメがいた。
「あれ?魔王にアヤにニアも。どうしたの?ここで食べるって言うならサービスするけど。」
「ここにいたぁ....」
将也はホッとして体から力が抜けていった。
「パルメ。お願いがあるのですが、今、カルテが死にそうなので彼女を助けてください。お願いします。」
アヤは床に膝を着かせ、頭を深く下げた。
「え?状況がわからないけど....そこまで言われたら断れないね。」
それからニアの魔法ですぐにカルテの部屋に来た。
今度は将也とアリスも部屋に入った。
間近でカルテの姿を見ると吐き気を催すくらいの衝撃的な姿であった。
「うわぁ~。これはひどいね....」
パルメがカルテのおでこに手を当てた。
「手遅れじゃなくてよかったよ。じゃあ今から治療するね!」
パルメがそう言うと、緑色の光がカルテを覆い始めた。
(何が始まるんだろう....)
将也は瞬きをせず、パルメとカルテを見ていた。
するとカルテの体の傷がみるみる治っていき、骨折していた場所も治っていった。
「す、すごい!!」
時間を巻き戻しているような光景に将也は目を丸くして見ていた。
さっきまで苦しそうにしていたカルテの顔も、心なしか安らいでいるような気がした。
「パルメさんの魔法は『はじまりの魔法』って言われておってな、前に渡した『三神様』の本に出てくる魔法と同じなんじゃよ。」
ゴル爺に言われたが、まだその本を読んでいないので相槌を打つことしかできなかった。
「はい!終わり!!体の傷は全部治ったよ。でも体の治療にいっぱいウチの魔法つかったからこれ以上ウチの魔力を浴びるのは危ないのね。だから自分の魔力が回復するまで動けないと思うよ。」
パルメが大きく伸びをした。
「ありがとうございます!」
アヤとニアはパルメに頭を下げた。
「パルメありがとね。」
将也もお礼を言った。
「本当はこの魔法使いたくないんだよね。世界中にはカルテみたいに死にかけている人がいっぱいいるし、みんなに使い始めたらキリがないしね。まあ今回は特別サービスって感じ。他ならぬ魔王の頼みだからね。」
「パルメさんが制限なく魔法を使ったら死んだ者も生き返らせることができるんじゃよ。」
ゴル爺が髭を弄りながら言った。
「ムーン?随分とヨボヨボになったわね。そうだけどさすがに死人を生き返らせることはしないからね。生と死は世界の真理みたいなものなんだから。」
パルメが嫌そうな顔をした。
「この度は私達の仲間を助けていただきありがとうございました。」
アヤがパルメに改めてお礼を言った。
「そうだね~。じゃあ暫くの間、ウチの店に働きに来なさい!それで今回はチャラにしてあげる。あっ!ニアもね!」
「わ、わかりました。」
アヤは嫌そうな顔をしていたが、今回の件で断ることができなかった。
「それじゃあ早速お店に行くよ!ニア、店まで繋いで!」
「うん!」
そう言ってパルメとニアは黒い塊の中に入って行った。
「魔王様は勉強しながらでいいですからカルテの面倒を見てください。あとアリスもね。」
そう言ってアヤもニアの魔法の中に入って行った。
部屋の中には将也とアリスとゴル爺の3人になった。
「一段落したからワシは自分の任務に戻るとするぞぃ。」
ゴル爺はまたふわっと消えて行った。
将也とアリスはカルテの横に座り、カルテの寝顔を見ていた。
「まさか君が魔王だったとはな....」
アリスはカルテを見ながら言った。
「うん。やっぱり第二席として僕を殺すつもりなのかい?」
「そうだな....今はやめておこう。」
アリスは俯きながら答えた。
「じゃあ僕は勉強道具を持ってくるからアリスは待っててね。」
将也は部屋を出て、図書館へと向かった。
それから3日間、カルテはずっと眠っていた。
アヤとニアはパルメの店の手伝いでほとんど帰ってこなかったので将也はカルテの部屋で勉強をしながらアリスとカルテの様子を見ていた。
「.....ん....っ」
将也が勉強していると、カルテが小さなうめき声を出した。
「あっ!目が覚めたみたい!!」
アリスがカルテの覚醒に気づき、カルテの元に寄って行った。将也もすぐにカルテの元に行った。
「あ..れ?ここ......どこだ?」
カルテはボンヤリとした目をキョロキョロと動かした。
「カルテ。気分はどうだい?」
「んん...っ?魔王様。そうだな.....とりあえず水が飲みたいぜ....」
「わかった。じゃあ持ってくるね。」
将也は部屋を出て水を汲みに行った。
「カルテ。あの....私のせいでごめんなさい....」
アリスがカルテに謝った。
「ははっ....アリスが無事でよかったぜ。」
カルテは目を瞑ってホッとしていた。
「水持って来たよ。」
将也が水をコップに汲んで来た。
「魔王様。サンキュー.....」
将也はカルテの背中を支えて口元にコップを持って来た。
「こんなのわたしの魔法を使えば楽勝だぜ。」
カルテが将也の持っているコップを睨み付けた。
「ほいっと!」
カルテが掛け声をかけるが、コップの水がピクとも動かない。
「あれれ?いよっと!おりゃ!」
「まだ魔力が回復してないのよ。大人しく飲ませてもらいなさい。」
アリスが言うと、カルテはむすっとした顔をした。
「わかったぜ....魔王様。飲ませてくれ。」
将也はカルテにゆっくりと水を飲ませた。
「ふぅ~。生き返ったぜ。」
カルテは美味しそうに水を飲み干した。
「失礼するぞぃ....」
するとゴル爺が部屋に入って来た。
「おぉ~。だいぶ回復したみたいじゃな。」
「よぉ!おかげさまで何とか生きてるぜ。ありがとなゴル爺!」
「いやいや、今回はワシは何もしておらんぞ。お主を治療したのはパルメさんの『はじまりの魔法』なんじゃよ。」
「えぇ!?はじまりの魔法を使ったのか?あれって伝説だけの話じゃなかったんだな....だからあいつはあんなに強いのか....」
カルテが驚きのあまり、呆けた顔をした。
「はじまりの魔法って?」
将也がゴル爺に聞いた。
「ほれ、前に渡した本じゃよ。今あるなら読んでみるとよい。」
ゴル爺がそう言うので、将也はリュックから『
「おや?その本は何じゃ?」
本と一緒に出してしまった理科の参考書をゴル爺は不思議そうに見ていた。
「これは参考書だよ。興味あるなら見てもいいよ。」
将也が渡すとゴル爺は一心不乱に読み始めた。
将也も三神様を読み始めた。
『三神様』
昔々。この世界には何にも存在していませんでした。
ですが、この世界にはルル、キキ、トトの3人の神がおりました。
3人はいつも一緒にいました。この退屈な世界でも3人でいれば寂しくなかったからです。
そんなある日。ルルが魔法に目覚めました。
彼女の歩いた場所からは植物が生え、彼女の吐息から空が生まれ、彼女の涙からは川と海ができました。こうして今の世界はこのはじまりの魔法によって作られました。3人は自分たち以外の命をとても喜びました。
次に魔法に目覚めたのがキキでした。
彼の魔法は距離を操る魔法でした。
彼の魔法を使い、3人はこの世界の広さ、素晴らしさを身をもって感じることができました。
2人が魔法に目覚め、魔法を多く使うようになりました。そんな2人をトトだけは不満そうに見ていました。
彼は2人にあまり魔法を使わないで欲しいと願ったが、それは魔法の使えないトトのわがままであると2人は思い、2人は魔法を使い続けました。
そんなある日。夜空を見上げたキキは空に輝く星たちに興味を抱き、自分の魔法を使って夜空の星の元に行きました。彼はそれ以来帰ってくることはありませんでした。
また別の日。ルルは自分の体の異変に気が付きました。彼女の体からは無意識に植物が生えてきたのです。彼女にはどうすることもできなく、彼女は大きな木となってしまいました。
こうしてこの世界からは2人の神が消え、トト1人になってしまいました。
しかし、トトはある魔法を使いました。
彼の魔法は時を操る魔法。彼は3人でいる時間をかけがえのないものと思い、今までに魔法を使わなかったのです。
彼はまだ魔法が使えない、3人さえいれば幸せだった時代へ帰って行きました。
~『三神様』~ END
「なんだか悲しい話だったな.....」
将也は本を閉じ、複雑な気持ちになった。
「な!なんじゃこれは!!」
すると隣ではゴル爺が大きな声を出して本を捲っていた。
「ゴル爺どうかしたの?」
将也が言っても、ゴル爺は参考書から目を離さない。開いているページは生物の細胞の部分であった。
「わ、わしは今までに人がどのように歳をとっていくのか、ずっと研究してきたのじゃ....まさかこの細胞と呼ばれる生き物のようなものが体中にあったというのか
!!」
ゴル爺はいつもよりハキハキと話し、将也に輝いた目を向けた。
「この本を少しばかり貸してくれんかの??」
正直なところ勉強に使いたかったが、ゴル爺の勢いに負けてしまった。
「わかったよ。数日後には返してね。」
「おぉ~!わかりました!!それでは!!」
そう言ってゴル爺は姿を消した。
「じゃあ、僕はこの本を返してくるね。」
将也はまた図書館に向かった。
部屋にはアリスとカルテの2人になった。
「カルテ。できることなら今、昔の話をしてほしいのだけれども...」
「そうだな。今は動けないけど話すことはできるから話してやるぜ。だけど魔王様が帰って来てからな。魔王様にも聞いてもらいたいし....」
カルテはゆっくりと目を閉じ、昔を思い出しているようであった。
将也が図書館に行き、三神様の本を棚に戻そうとした。
「あれ....どこに戻すんだ....」
将也がウロウロしていると急に声が聞こえた。
『やぁ。この本を読んだんだね。どうだったかい?』
声と同時に本が空中浮き上がり、ひとりでに棚に戻って行った。
「えっ?誰?」
将也が周りを見渡したが誰もいない。
『僕が何者かってことはどうでもいいことなんだよ』
ハッと何かの視線を感じ、将也は机の上を見た。
「そこに誰かいるの?」
『君は不思議だね。魔力が無いくせに魔力を感じることができるみたいだ。』
すると机の上にスゥーと緑の服と羽が付いている緑の帽子を被った男が現れた。
「あなたは誰ですか?」
将也は丁寧に聞いた。
「ボク?ボクのことはどうでもいいんだよ魔王様。それよりも君は時間というものをかけがえのない物って思えるかい?」
男に変な質問をされたが将也は少し考えた。
「そうだね。今の時間を大切にしているよ。多分だけどあと半年もしないうちに僕はこの城を去ることになると思うし....」
将也は自分で言いながら、あと約半年経てばこの魔王城の人達と別れなければならないと改めて思った。
『そうかい。なら良かった。時間を大切にね......』
そう言ってまた男は姿を消した。
「今の男....何だったんだろう.....」
将也は不思議に思いながらカルテの部屋に戻った。
「アリス。魔王様。今から私が話す15年前のことを聞いてくれ。わたし達が仕えていたのが赤髪の悪魔と呼ばれていた魔王であった時の話なんだ。」
カルテは大きく深呼吸をしてから15年前の悲劇を、苦しみを語りだした。
~はじまりの魔法~ END
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