第2話別れ

その数日後、現実に引き戻されることになった。

彼女から、LINEがきた。


「信行君?一つ聞いてい?

非常に言いづらいんだけどね、もし、信行君が、二人目作って、生まれたら奥さん大変なるじゃん?信行君も、上の子の面倒みたり、家のことやったりで、時間とれなくなるよね?そしたら、あたし、もう、終わりにしたほうがいいよね?」


俺は、このメッセージを見て、いろんなことが、頭の中に巡った。確かに子供ができたら、今以上に彼女との時間は取りづらくなる。しかも、家からは、抜け出せなくなる可能性だってある。

正直な話、迷っていた。

どうにかしてでも、時間を作ろうとは、思うが、この曖昧な関係を終わらせるキッカケとしてもいいのか?自問自答しても、答えはでなかった。


2日間返信をしてなかったら、彼女から、ラインがきた。

「ゴメーン。やっぱあたし、信行君を最低な男にしたくないから、もう、関係は終わりにしよ?

今までホントにありがとう。二人で過ごした一つ一つの時間は人生の中で一番幸せな時間だったよ。あたしのことは、早く忘れてね。幸せな家庭があるんだからちゃんと守らなきゃね(*˙︶˘*)

バイバイ。元気でね。幸せになってね。」


なんなんだよ。一体。。。俺は狐につままれたように呆然とした。こないだまで大好きって、言ってたじゃん。あんなに楽しい時間過ごしたのに、、。

正直この先彼女と会えなくなるなんて、受け止められなかった。あの人はいつでも、なにがあっても俺から離れたりしない。勝手にそう思い込んでいたからだ。


なんて返したらいいのか分からず、一週間が、経ってしまった。とりあえず、つなぎ留めておきたくて、ラインを返した。


「もう会わなくていいの?」

ヤダ。。。そんな都合のいい答えを期待していた。

その後すぐ返信がきた。

「良くないけどそうするしかないから。あたしが邪魔になる。」

「会いたくない?」

「会いたいよ?何度も忘れようとしたし、諦めようとしたけど出来るわけないじゃん。。。」

「まぁでも嫌だよね。言ってること、めちゃくちゃじゃない。分かった。仕方ないけど終わりにするしかないよね。」

俺は多分彼女の気持ちを測ったのだ。

通常なら、ここで突き放したらさよなら。と言ってくるだろう。なんて、最低なやつなんだ。我ながら呆れた。

「あたしの気持ち何一つ考えてないでしょ?あたしは、信行君に気を使ったの。負担になりたくなかったからね?

今も変わらず信行君を好きだから辛いのに。分からないでしょ?」


初めて彼女が、感情的になった。全く俺は彼女の気持ちなんて、考えたことはない。自分を好きだと言ってやらせてくれる女。ただそれでしかなかったからだ。傷つけてたのかな?少しの罪悪感が生まれた。


「嫁とは、もうすることはないな。俺がもう、嫁を抱く気にはならないんだ。彩ねぇが、家庭を壊すような人ならもう、これからは会えないけど、そうじゃないなら、俺にはもう、彩ねぇしか抱けない体になってるから、離れられない。」


「あたしだけを愛してほしい。奥さんを抱いて欲しくない」

「分かった」

「お願い。。。これからも、あたしの側にいて?」

「うん、もちろん。」

「ありがと。」


そういって、一見落着に見えた。とりあえずは、彼女の機嫌が戻って、俺の元に、戻ってきたことに、安堵した。




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〜幻〜いつまでも消えない人。 あやめ @anata

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