03-8

 翌朝、昨日絡んできた友人と教室で顔を合わせた。一触即発も覚悟していた。

「……」

「……」

 気まずい時間が流れる。

「……悪かった。言い過ぎた」

「いや、こっちこそかっこ悪いとか言って悪かった」

「本当に俺かっこ悪いわ」

「……」

 是とも非とも言えず、口ごもった。

「あと、おまえと五行のこと聞いたよ。仲の良かった幼なじみをあんなふうに言われたら頭に来るよな。ホント済まなかった」

 拝むように手を合わせて謝る友人。

「いいって、わかってくれたら」

 それで、関係は元通り。それが男子の良いところだと嘉寿は思っていた。ちなみに、彼女とは昨晩仲直りしたそうだ。友人関係が壊れず、内心ほっとしたが、これがきっかけで嘉寿と裕哉は幼なじみなのが広がった。それは、オタクと友達という意味付きで。

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