脅し
「どういうことだ!?」
「なんで魔物と一緒にいる!?」
「こいつも魔物の変装なんじゃねーのか?」
「そうだ、きっとそうだぞ!」
そう言ってこいつらはどんどんとまずい方へと考えを進めてく。それもしょうがないのだろう。だってこんな状況だ。疑り深くなるのもしかたないとは思う。そうでないと生き残れないだろうしな。だが、ここではいそうですよ……なんていえない。なんとかしてわかってもらわないと、あいつらを……いやそもそも俺自身がまずい。
「まて、あれは違うんだ!」
「違うだと? あれはどうみても魔物だったぞ」
「そうだそうだ。それとも魔物っぽい人だとでもいうのか?」
俺に武器を突き立ててそういうこの人たち。やろうと思えば制圧できそうではある。だって見るからに素人臭い。だがそれをやるのは本当に最終手段だ。こいつらだけじゃないかもしれないし、それやると話し合いとかできなくなるだろうからな。けど……大丈夫だろうか? この人たちは目が血走ってる。多分ずっと緊張してるからだろう。
外は死者だからだし仕方ないか。てか魔物っぽい人ってなんだよ。頭回ってないのかもしれない。危ない状況だな。こういう時は雰囲気とか集団心理に流されやすい。一人が過激な事をいうと、一斉にそれに賛同するようなさ……
「いや……あれは魔物だけど……」
「やっぱりそうじゃないか!」
「こいつも魔物に違いねえ!」
「殺せ殺せ!!」
まずいまずい! 直ぐにそっち方面にいくんだから極限状態は嫌いだ。そんな時にも余裕を持てる精神でいたいと俺は思う。
「まて! あいつは仲間なんだ。害はない!」
「そんな話信じられるか! 魔物は俺たちの敵だ!」
「そうだ! 魔物がなれ合うわけねーだろうが!」
「そうやってあいつをここに招きいれて、俺たちを殺させる気だろう! そうに違いない!」
だめだこいつら……疑心暗鬼が極まってる。こうなったら仕方ないな。俺は槍を突き刺してくる奴の攻撃をかわしてそれを取った。そして引き寄せてパランス崩させた奴の足を引っ掛けて地面に転がす。そしてその槍をそいつののど元に突き立てる。
「ひい!?」
「俺は話しをきいてほしいだけですよ」
そう言って俺は脅しをかける。これで誰も動けないだろう。最初からこうしておけばよかった。こっちの方が手っ取りばやい。
「俺の話し、聞いてくれますよね?」
いい笑顔で俺はそういった。
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