個性豊かな人物とペンギンが織りなす異色のラブコメディ。
そんな一言で片付けるのはもったいないくらいに面白かったです。
ペンギンについて熱く語り出し、世の桃色脳みそにまみれた人物を憎む、愛すべき丁寧なようで不遜気味な友人岩水寺と、聖女のような容貌で悪魔を飼っているような西ヶ崎の噛み合わない恋愛模様。
まあこの2人を見守るのが主人公で、他人の恋路を側から見つつ、自分は自分でペンギンとの同居生活を満喫します。
なんやねんこれと思うのですが、たった1人いたのかもしれない小さな願いは、幾千の刻を超えて、受け継がれし優しさなのです。
粋なことを、するもんだ。
読み終わったあとあなたは、きっとペンギンのいる動物園を探してしまう。
そんな気が、してならないのです。