誰のもの

 〈余所は余所、内は内〉

 誰しもが言われたことがあるかもしれないこの言葉。

 自分が食べているとそんなに特別感がないのに、他人が食べているとおいしく見えてしまう。

 自分が使っていると便利とは思えないのに、他人が使うと便利に見えてしまう。

 この世は誘惑に満ちている。

 僕たち私たちは生まれながらにして神様に試されている。

 果てることのない欲望の渦中に身を投じなければならない。

 生きることは我慢することである。乖離することのない煩悩を背負って。


僕は君の持っているそれがほしい。

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