16.11.27

テレビのバラエティなどで「笑い声」を効果音として足しているのは

今に始まったことではないが、よく聞いてみると同じ音源だなとわかる

時がある。笑い出しのスピードやテンポが全く同じなのだ。


これは「録音笑い」とか「ラフトラック」などと呼ばれる音源なのだが、

面倒くさいのか、例えば同じコント内でも同じ音源が使われていたりする。

笑い声の追加といえばドリフ大爆笑が一番わかりやすいか。

フルハウスなど海外のコメディドラマでもよく使われている。


適切な笑い声は内容を盛り上げるが、作られた笑いだと視聴者が気づいて

しまった時点で失敗である。笑っている音源を適当に追加されたものを見て、

どうやってこちらは楽しめばいいのだろうか。


以前手術を受けて入院していた時、笑うと激痛が走るような状態で

バラエティを見たことがあったが、「笑うまい」と思わずに「純粋に笑えるか」

という気持ちで視聴したら1時間で1回も笑わなかった。

この時に意識したのが芸以外で笑わせようとする、編集笑いだった。

人生で最もテレビが作り物だと気づいた瞬間でもあった。


笑う、というのはある程度受け手が「よし、笑うぞ」という姿勢を持って

いないと成立しない側面もあるのではないかと思う。寄席やステージに行くと

いうのはその最たるもので、そこで笑えないというのは本当に笑えないのだと

思う。演者にしてみれば相当なダメージだろう。


以前演劇に携わったことがあったが、笑いを作ろうとした時に頭を抱えた

ことがあった。作れば作るほど、笑わそうとしてるよねという作り手の手の内が

透けているようで、それがとても恥ずかしかった。

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