16.10.28-02
職場よりやっと保険証を渡されたので、痛めた手首を診察してもらうべく、
仕事の後に近所の整形外科へ行ってきた。
職場の先輩にいいクリニックだよと教えてもらった所なのだが、
小児科も兼ねているクリニックなので、それはもう賑やかであった。
幼児や子供の騒ぎ声も時と場合によっては微笑ましいものだ。
特に病院系の施設ではグズる子が非常に多い。
特有のにおいなのか、雰囲気なのか、あるいは本能的に身に降りかかる
恐怖(注射など)を察知しているのか。
小さい子にとって注射はやはり難敵だろう。
特に予防接種は「病気でもないのになんで!」と思っているに違いない。
子供にしてみたら、体調不良よりも注射を打たれる方がよっぽど怖いはずだ。
本日が初診であり特に予約もしていなかったので、
相当待たされるであろう予想をして本を1冊持って行った。
先日、泉鏡花ってまず何を読めばいいのかという知人の問いに、
「高野聖」か「草迷宮」あたりから読んでおけば大丈夫と得意に言ったのだが、
当の本人もどれを読んだのか記憶が曖昧であったので、
確認も兼ねて岩波文庫の『高野聖・眉かくしの霊』を選んだ。
病院と薬局で「高野聖」を半分ほど読み進めたのだが、
読んだような読んでいないような、なんとも言えない状況である。
クリニックといえば婦人誌などの雑誌、子供向けの絵本、そして漫画など、
待ち時間を潰す書物が必ず置いてあるが、その中にいて岩波文庫を棒立ちで
読んでいる人間など、20代では稀少だなと我ながら思う。
幸い手首は骨に異常もなく、薬を処方してもらい様子を見ることになった。
貼り薬を装備した万全の手首で、残りを読んでから寝よう。
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