石炭、占い、跡地
占いに憧れがあった。見えない道を不思議な力で示してくれる。科学でないもの、触れられない世界を昔から夢見ていた。厳格な家族に現実ばかりを見させられてずっと嫌気がさしていた。
物語は私の命綱だった。うつつの中で夢を忘れないための。歴史は言うに及ばず、科学や数学も私にとっては生きて動く物語だった。現在は過去の跡地だ。熱かった大地が冷たくなって地上になり、湧き立つ水蒸気が降り注いで海になった。エネルギーはすべて生の残渣だ。石炭だって、ふるい生き物の死骸だもの。
だったら、私の生きた跡も何かの力になるのだろうか。物語になりうるのだろうか。
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