ハンバーガー、下駄、ファックス

「ファックスってなくなると思う?」

「すぐにはなくならないんじゃない? うちの職場はまだ現役」

 カヤコはハンバーガーの包みを開きながら応える。そのままかぶりつこうとして、手を止める。開きかけた口は答の続きを話しはじめた。

「でも、ファックスって道具に過ぎないし、とってかわる技術ができたらお役御免かも」

「そうね。ファックスとカヤコ、どっちが先にお役御免になるかしら」

「やめてよ、今の会社給料いいんだから。そんなすぐにファックス使わなくなるとも思わないけど!」

「えぇ! じゃあお寿司おごってよ。回転じゃなくて、ちゃんと下駄にのっけてくれるようなとこ」

「いいよ、別に。その代りナナはフレンチのフルコースおごってね」

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