納豆、ジェットコースター、ひまわり

 パッケージをひまわり柄にしてみた所で、三食パックの納豆に夏らしさなど感じない。扇風機を強風にしてテレビの音量を上げる。汗だくで予想最高気温を告げる気象予報士にげんなりした。椅子の上にあぐらをかいた妹が寝ぼけ眼で朝食を口に運ぶ。

「今日も暑くなりそう」

 と呟けば、妹もぼそりと「夏だ、嫌になる」などと答えてくれる。気だるそうな表情。

「あ、そうだ。こないだテレビでやってた遊園地のお化け屋敷行かない? 涼しくなれるんじゃないかな」

「お姉ちゃんが一人で行ってくれば。私は怖いのだったらジェットコースターの方が好き」

「えぇ! あんなのに乗れる人の感覚がわからないよ」

「じゃあ私はお化けが好きな人の気持ちがわかんない」

 妹はつれない。テレビはもうニュースのコーナーに移っていて、キャスターが真面目な顔で原稿を読んでいた。

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