チョコレート、天使、ボブスレー
兄はボブスレー選手だが、ルールもろくに知らない。小さい頃から可愛がっていた妹がこの有様では兄が悲しむだろうとネットで調べてみたものの、気づけばチーズケーキの人気店のホームページを閲覧していた。
こんな妹を「天使みたい」などと甘ったるい形容で褒めてくれる兄に報いるべく、バレンタインには毎年プレゼントをする。白く脂の浮いた、溶かして固めただけのチョコレートを作っていた小学生時代から十年ほど、テンパリングもできるようになった。
手をとめて時計を見る。子供の頃からすれば時間の経つのが随分早くなった。ああこれが大人になるってことなのかなと漠然と思いをめぐらせる。どうりで線の細かった兄がおっさんめいてくるわけだ。
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