授業も終わり、部活をしに行く。

 僕は美術部に入っている。

 昔からなんとなく、物を作る事が好きだった。もちろん絵を描くことは好きで、上手くなりたいという一心で入部を決めた。

 若中の美術室は二階にあるため景色が良い。ベランダがある方は『富士は窓辺に微笑みて』という、校歌の歌詞通り富士山が見える。

 時々、風景画を描くときはこのベランダに、美術室特有の四角い椅子を置いて絵を描く。

 実際、美術部は『暇部』と呼ばれるほど暇に見えるらしく、入っている部活を問われる時ほど嫌なときはない。

 逆に、その思いが「文化部だからと言って負けてはいけない」という気持ちに拍車をかける。

 だから今日もベランダで椅子に腰をかけ、水色の色鉛筆で風景を書き込めるだけ書き込む。

 まず輪郭を取る。一本の線を細く細く描いて、形をしっかり分かるようにする。

 次に軽く影を入れていく。あまり濃くせずに、でもしっかりと。

 ある程度経ったら、風景を頭にしっかりと叩き込んで中に入る。

 この時点でもう六時だった。帰る時間だ。

 同じ美術部員である真司を誘って、学校を出る。


 夕方は、今の季節は暗いが秋くらいになると絶景だ。五時半くらいが丁度いい、オレンジ色と雲の組み合わせでつい写真を撮ってしまう。

 しかし、この時期は何と言っても桜だ。

 月と桜の組み合わせもえも言えぬ美しさだ。

 宿題はあるが、今日は満月なので、あとでカメラを持って場所に行ってみようと思う。

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