第13話「成長因子とクローン」
「色々話している間に夕焼けだな。どうする?」
「とりあえず近くの公園にでも向かおう」
「そうだね。着替えは持っているよね?」
「その心配はいらない。魔法で乾かす」
そういう問題なんだろうか、と思うかもしれない。
だが敵が夜に襲ってくることはない。
魔力は夜になると弱くなる性質がある。
これは成長因子が身体の成長の方に割り振られるからということだが、
何故狭義を含めたクローンの男性でもそうなるのかははっきりしていない。
男性の場合女性として成長するための分の成長因子は不要のはずだ。
(無論女性ホルモンは男性でも全くないと不調がおこる)
にも関わらず成長とは無関係に夜になると身体に割り振られるので、
『そういう性質のものだ』としかいえないだろう。
ちなみに魔法の使用に必要な因子をMagicやMagicaから、
専門家は『M因子』と呼んでいる。
ともかくそのM因子の性質は今もなお研究中なのだ。
女性の成長に関連するというが具体的にどこと関係するのか。
卑猥な話になってしまうが女性の特色である膨らんだ胸に存在する、
乳腺の発達に関係しているとか。
あるいは初潮のタイミングと関係しているとか。
女子にとってはデリケートな部分と密接しているのだが、
『狭義のクローンでない限りは女性にしかない』因子なので致し方ない。
ちなみに一卵性双生児に存在する理由は、
一つの受精細胞が二つに分かれた際両方とも正常に育てるためといわれている。
ちなみに作られたクローンに存在している理由ははっきりしていて、
臓器用として成長を促進させるため成長因子をぶっこんだのが理由らしい。
クローンの存在は否定されていたが実際はノストラダムスの予言の日に、
まさしく『恐怖の大王』として作り始められていた。
ノストラダムスがどうやってこんなことを知ったんだ、
と思うかもしれないが彼は予言者だしそのくらいは簡単だろう。
とにかくその『恐怖の大王』により世界のバランスは崩れ、
人口問題や食糧問題といった諸問題は皮肉な方向で解決された。
一応人口の再増に備えて宇宙開発もおこなっているという話だが、
復興が優先されているので中々上手く行かないのが現状である。
そんな状況なので人々の不満が溜まり、
ネオナチスの台頭を許しているのかもしれない。
これも下流層の不満のはけ口となっていたイスラム国と、
まあ同じような物なのかもしれない。
イスラムの厳しい戒律にかこつけて好き勝手やっていたのは、
結局のところ現状への不満が爆発したからなのだ。
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