第3話「変身」

「最強の魔法少女っていうからには、その力見せて貰うよ」

「力を見るのは私の方よ」

「だとしてもボクは君に負けるわけにはいかないよ!」

「どの道元気っ子ではあるようね」

 典型的なボクっ娘といいたげなかんなに、忍は突っ込む。

「そんなにボクっ娘って珍しいの?」

「実際にボクを使う女の子は中々居ないわ。ちなみに実際に女性口調の子も」

「この学校だとそういう子がほとんどだけど?」

「魔法少女だけに、女の子らしさを全面に出すべきといわれているのよ」

「まあ、ボクはこういうのが性に合っているからね」

「でも、先生の許可がないと」

 すると先生がいう。

「どのみち模擬戦はやる予定だったからいいわ。けど……」

「あなたがかんなに勝てるとは思わないけど?」

「政府から送られたのは伊達じゃないってこと、見せてあげるよ!」

 神奈の弟というネームバリューのでかさもそうだが、

男性でありながら魔法が使える理由の不明な忍。

 そんな彼の調査のために政府はこの学校へ彼を送ったのだ。

 ネオナチスの対策というのはぶっちゃけるとそのついでなのだが、

名前負けしまいと忍はそれなりに訓練していたのだ。

「マジカルロッドはショールポーチに入っているわよね?」

「もちろんだ。でもここでやるわけにはいかないよ」

「分かってるわ。グラウンドに行くわよ!」

 そうして忍とかんなはグラウンドに出る。

「マジカルロッド、コネクション!」

 二人がそういうと、正面に構えた杖から桃色の魔法陣が展開される。

「マジカルロッド、ゲートイン!」

 すると魔法陣は二人に重なり、二人は光に包まれる。

 服が消えていくが、光で身体が隠される。

 無論忍が男であることはこのことで判明したりもしない。

 中学三年生である彼は、

ボディラインが貧乳の女の子とあまり変わらないからだ。

「魔法少女メイザード☆しのぶ!」

「魔法少女ミラーコート☆かんな!」

 二人のそれが魔法少女のそれになる。

 すると忍がメイザードを、かんながミラーコートをそれぞれ名乗る。

 そして二人は向かい合った。

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