第2話「戦いに備えて」

「とはいえネオナチスにはイスラム国のメンバーも居るわ」

「そんなことは聞いてないよ」

「元々イスラム国の過激さにひかれて参加した人も居るからね」

「ネオナチスの動きは聞いていたんだけどね」

 忍の教師会話に付近の生徒は突っ込む。

「付いていけないわ……」

「付いていけなくても攻めてくることには変わらないよ?」

「分かっているけど!」

「この学園、本当に魔法少女養成校なのかな……」

「私達は年頃の少女なのよ?政府の人間でもないしそう割り切れはしないの」

「そういや、あなたは神奈とは双子なんだっけ?」

「そうだけど?」

「一卵性双生児なのかな」

「それは聞いてないよ」

 性別が異なるため二卵性と考え聞く必要がないと忍は思っていたが、

教師はいう。

「それに一卵性双生児は性別が同じになるわけじゃないわ」

「えっ、そうなの?」

「本当に稀なケースではあるけどね」

 忍は前々から自分に魔法が使えることを不思議に思っていたので、

今度一卵性双生児の男女かどうか調べて貰おうと思ったのだった。

「さて、今日はまず訓練をしないといけないわね」

「ネオナチスが迫ってきているしね」

 するとさっきから突っ込みを入れていた女子生徒に、

忍は声を掛けられる。

「忍って戦ったことはあるの?」

「模擬戦はしたことないんだよね。風船相手ならやったことあるけど」

「あの清宮神奈の血縁だから慎重に扱われてたってわけ?」

 清宮神奈。彼女は魔法少女メイザード☆かみなを名乗り、

クローン大戦において『ニューワールド』と戦った英雄である。

「そういうあなたはえっと、おくとも……かんなだっけ」

 奥友かんな、彼女は忍が居るクラスで最強の魔法少女なのだ。

「私はあなたのような模擬戦をやってない魔法少女に負けないわ」

「魔法少女……まあ、その自信があるなら問題はないと思うよ」

「気取った態度……まるで女性にしか魔法が使えない世界で一人だけ」

「それ以上はいけない」

「まああなたは違うはずよ。例えあなたが男だとしてもね」

 かんなは例え話をしただけであることを忍は理解していた。

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