マスク美女・美男
目だけしか見えない恐怖感はずいぶんと薄らいできた。もはや、表情からその人の感情を読み取ろうとする努力さえ怠って接客している。
「目は口ほどにものを言い」と聞いて、それは間違いないと思っている。でもそれは顔全体からその人が何を思っているかとか何を考えているのか探ろうとすることができるからであり、目しか見えない顔から何かを感じとれと言われても困る。
なんせマスクは肌の状態やほうれい線を隠して、強いては年齢をも不詳にしてしまう。
見えない顔より、顔以外の見えている部分に注視することでいろんな情報を得ようとする。
髪や爪、手の甲や肘の皺や肌艶、体型のバランスや体格、姿勢、歩き方から、話し方や所作でその人を判断するよう努めるようになった。
もちろん、身に纏う衣装や靴、匂いは大切な要因だけれど、それは後付けで構わない。それ以上に、一長一短では身につかない、今までどういう環境の中で、どんな生き方をしてきたのかが垣間見える材料が、マスクで顔を隠すことにより明確になったと思う。
飲食店では顔が見えないからと態度が大きくなる人はいないから、小心者の私は救われています。
顔を隠しているからこそ、人にきちんと向き合って、姿勢を正さなくてはいけないと感じています。
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