第28話 どうしたらいいの?

おみつさんが消えてしまった。

おみつさんは、自分は、成仏できないだろうと言っていた。

どうしたらいいのだろうか?

三人は考えた。

考えたが、何も無い。

そんな時、妹がきて言った。

『本人は、罪があるから、成仏できないって言ったんでしょう⁉︎』

『罪は、あっても生まれ変われると、私は思うよ!』

『だって、お姉ちゃんたちだって、前の時は、娘を死なせてしまって、後悔したから、来世として、今、生まれ変わったんでしょう。』

『だから、おみつさんだって、同じだと思うの……』

『もう一度生まれ変わって、やり直すチャンスがあると思う!!』

『由美、あなたすごいわ!!』

『まさしく、その通りだわ!! ありがとう!!』

『加奈美、調子はどうだい。』

『なんだか、さっきより体が楽だわ』

『そうか、それは良かった。 手を見せてごらん。』

『はい。 どうかなぁ……』

『腫れもいくらか、おちついた様だのう』

『たぶんこれは、おみつさんの、怨みが和らいだからだろう。』

『加奈美の誠意が通じたんだよ』

『そうだといいなぁ……』

『ねえ、孝介くん! 麻里花と比呂哉くん、元気かしら⁉︎』

『ああ、元気だけど……、加奈美が休みだから、心配していたよ!!』

『なんで、加奈美ばっかり……っていってたな……』

『後から、来るって言ってたよ』

『本当に!! 嬉しいわ!!』

〈ピンポン〉

『はーい。 あら、麻里花ちゃんと比呂哉くん』

『加奈美の部屋に、孝介くんもいるから、中に入っていいわよ』

『おじゃまします。』

『おじゃましますね』

〈コンコン〉

『はいどうぞ!!』

『加奈美大丈夫⁉︎』

『加奈美ちゃん、大丈夫かい⁉︎』

『加奈美、ワシは、下に行ってるから何かあったら呼んでくれ』

『わかったわ』


『来てくれてありがとう。』

『孝介くんから聞いてビックリしたわ』

『俺も』

『手が腫れたり、熱が出たんでしょう』

『うん。夜中に痛みが出たけど、いまは、だいぶいいわ』

『夢を見たんでしょう⁉︎』

『生々しい夢だったわ』

『おみつさんが、小春さんに棒で打たれて、そして、井戸に落とされ、死んでしまう夢だったから……』

『とても、怖かったわ……』

『それとね、孝介くんが来てくれた時に、おみつさんが現れて、私たち話しをしたの……』

『死後に罪をおかしたから、自分は成仏できないだろうって言ってたわ……』

『私ね、おみつさんは優しい人だと思うの!』

『だって、私を殺そうと思えば、いつでもできるのに、しなかったのよ!!』

『ねえ、どうしたら、成仏できるのか考えようと思うの……』

『みんなはどう思う⁉︎』

『そうね…… 安らかに成仏できるのが、おみつさんには、いいことだと思うわ……』

『そうだな! それが一番いい方法だと思う』

『それがいいな!!』

『みんなの気持ちが一つになれば、思いが伝わると思うわ!!』

みんなは、どうしたらいいのかを考えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る