第22話 夢は、続く……

『ところで、加奈美⁉︎ 手はどうだ⁉︎』

『どうだろう……』

『少し、薄くなったようだの! もう一度、清めておこう!!』

『孝介くんと、比呂哉くんは、大丈夫なのか⁉︎』

『うん。 二人とも何もなかったって!』

『それは良かった。 だが、安心できないな……』

『しばらく、注意しなくてはならんな……』

『そうね、孝介くん達に話しておくね』


『もしもし、孝介くん』

ー『加奈美どうした⁉︎』ー

『あのね、おじいちゃんがね、しばらく注意するようにだって!!』

ー『そうだろうな、加奈美と麻里花に異変が起きてるからな……』ー

『今夜も夢を見るのかな……』

ー『ごめんな、大丈夫って言ってやりたいんだけど、俺にはどうする事もできない。』ー

ー『加奈美の側にいて、守ってやりたい』ー

『孝介くん…… その気持ちだけで、私、頑張れるわ』

『ありがとう』

(私たちの話しは、幽霊の話しが中心だから、たまには違う話しもしたいわ……)

『ねえ、孝介くん! 好きな色は何?』

ー『色? 俺はグリーンかな⁉︎ 加奈美は、何色が好きなんだ⁉︎』ー

『私は、青が好き、空の様なのも好きだけど、海の青も好きだわ!』

『好きな食べ物は?何?』

ー『俺は、野菜炒めかな…… あとカレーも』ー

ー『加奈美は、何が好きなんだ⁉︎』ー

『私は…… 私もカレーが好き、あとオムレツも……』

『あー、食べ物の話しをしてたら、食べたくなっちゃった⁉︎』

ー『あはは、加奈美の食いしん坊!』ー

『あら、もうこんな時間⁉︎』

『遅くまでごめんね! お休みなさい』

ー『ああ、お休み』ー


その夜、楽しい夢を見た。

孝介くんと、遊園地に行く夢だ。

ジェットコースターやお化け屋敷などを二人で楽しんでる楽しい夢だ。

でも、途中から悲しい夢に変わってしまった。


『小春、あなたに縁談の話しがあるのよ。』

『私にですの……』

『隣まちの大川さんの次男坊で、翔太郎さんという方よ!』

『とても優しくて、働き者なんですって』

『素敵な方だといいわ……』

その日から縁談のために、家の中は、忙しく成った。

いよいよ縁談の日だ。

大川さんの両親と、翔太郎さんが家にやって来た。


『本日は、はるばるお越しくださいまして、ありがとうございます。』

『この子が、小春でございます。』

『小春でございます。 宜しくお願い致します。』

『翔太郎です。 宜しくお願いします。』

(とても素敵な方だわ……)

『おみつ! お茶をお出ししてちょうだい。』

『はいただいま!!』

おみつは、皆にお茶をだした。

その時、翔太郎は、おみつをジッと見ていた。

小春は、おみつを見ている翔太郎ではなく、おみつに腹を立てた。

翔太郎たちが帰ったあと、小春はおみつを呼んだ。

『おみつ!! あなた、翔太郎さんに色目を使ったわね!!』

『そんな!! めっそうもございません。』

『決っしてその様なことは、ございません。』

と、手を付いて謝っている。

謝っているおみつを、小春が棒で手を打った。




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