第20話 黒いモヤは、まだ……
『親父、成仏したんじゃないのか⁉︎』
『お父さん、加奈美は、どうなるんでしょう?』
『おじいちゃん、お姉ちゃんを助けてあげて!!』
『あの子たちは、成仏したよ、だけど、黒いモヤは、成仏できなかったらしい。』
『そうよね、女の子に取り憑いてる時に、お祓いしても祓えなかったんですもの……強敵だわ……』
『これは、時間がかかりそうだから、暫く、泊まるがいいかな⁉︎』
『はい。お願いします。』
『宜しくお願いします。』
『おじいちゃん、お願いします。』
『お願いね!おじいちゃん』
『わかったよ! 由美!! おじいちゃんが、お姉ちゃんを助けるからな!!』
『うん。ありがとう』
『加奈美、手を見せなさい。今、清めてやるからな!!』
おじいちゃんは、塩を手に付け、そして何かを口ずさみ、手に包帯を巻いた。
『さあ、ご飯にしましょう』
『はーい。』
『さて、学校に行こうかな……』
『待ちなさい加奈美! この御守りを肌身離さず持っていなさい。』
『わかったわ』
〈ピンポン〉
『はーい。あら、孝介くん。迎えに来てくれたの、ありがとう』
『加奈美!! 孝介くんよ!』
『はーい!! 今、いきます。』
『おはよう孝介くん!今日も迎えに来てくれたんだね』
『ありがとう』
『おはよう加奈美!どうしたんだ、手に包帯を巻いて⁉︎』
『実は、黒いモヤが成仏しなかったみたいなの……』
『やはりな! 女の子に取り憑いてた時も祓えなかったのが、簡単に消えるわけないと思った。』
『おじいちゃんもそう言ってたわ』
『それでね、関係があるのかわからないけど、昨夜、夢を見たの……。』
『どんな夢だった⁉︎』
『着物を着てる時代の夢だったわ! 大きな家の少女が、普通の容姿で、世話をする子が、美人だけど、着物は地味なの……』
『使用人だから、地味なんだろうな⁉︎』
『そうね……』
『それでね、この家の子がね、日本人形をもらったの……』
『その人形に、自分とお揃いの着物を着せていて、ある日、世話をする子に言ったの……』
『人形でさえ良い着物を着ているのに、お前の格好は地味ね!!と、言い笑ったの』
『言われた世話役の少女は、ぐっと我慢した所で目が覚めたの……』
『なんだかそれ……プレゼントの人形の話しに、関係ありそうだな!!』
『うん。私もそう思ったの⁉︎』
『孝介くんは、昨夜はどうだった⁉︎』
『夢も見なかったし、何もなかったな⁉︎』
『そっかあ! 孝介くんに何もなくて良かった!』
『なんだなんだ、朝からいちゃいちゃと……』
『あっ! 比呂哉くんおはよう!!』
『おはよう! 加奈美、孝介!!』
『何、話してたんだ⁉︎』
『今、夢の話しをしてたんだよ!!』
『あっ‼︎ 麻里花おはよう』
『おはよう、みんな』
『どうしたの? 元気が無いみたいだけど……』
『実わね、何だか、カラカラ、じゃーみたいな音が聞こえて、うるさくて、寝たかどうかもわからないの……』
『もしかして…… 麻里花には、水汲みの音だけ、聞こえてたのかもね⁉︎』
『教室に、入ろうか』
『じゃあ、またあとで』
とりあえず、教室に入るように、促した。
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