第17話 みんなが家に集まった
下校の時間だ。
帰りは、父親が迎えに来てくれていたので、みんなと別れて、家に帰ってきた。
『お父さん、迎えに来てくれてありがとう。』
『後から、みんなが家の人と、一緒に来るって!』
『さあ、着いたぞ』
『ただいま!! おじいちゃんいる⁉︎』
『お帰りなさい加奈美』
『お帰りなさい。 あなた』
『ただいま』
『お帰り! 加奈美!! 相変わらず元気じゃの』
『私は、元気だけがとりえだから……』
『それはそうと、首を見せなさい。』
『薄っすらと、痕があるなぁ……』
『これは、気を付けないと危険だな……』
〈ピンポン〉
『はーい。今行きます。』
『こんにちは、お話があると聞きましたので、みんなで参りました。』
『突然の呼び出しで、申し訳ありません。』
『中へどうぞお入りください。』
母はみんなと、その両親を居間に案内した。
『今日は、忙しいところ、来ていただいて、ありがとうございます。』
『昨日の事を、お子さんから聞きましたでしょうか⁉︎』
『だいたいの事は聞いておりますが、詳しくは、わかりません。』
『 私の家もです。』
『私は、幽霊が何者かを知ったばかりです。』
『では、このいきさつを話す前に、加奈美の首を見てください。』
『なっ!! 手の痕が!!』
『こんな事が……』
『なんていう事……』
『これは昨夜、幽霊の女の子に首を絞められたあとです。』
『なんとか、助ける事ができましたが……』
『去り際に、諦めないと言ってたので、娘のように、なったら大変だと思い、みなさんをお呼びしました。』
『私の父親が、神主をしてるので、お祓いのために、呼びました。』
『まず、山内さん⁉︎ 正体を知ってるとは、どういう事ですか?』
『はい。実は、幽霊の正体は、我が家の先祖なのです。』
『どうして、そう思うのですか⁉︎』
『それは、孝介の祖父の祖父が、幽霊たちの弟だからです。』
『幽霊の両親が、娘と息子を亡くして、家を壊して、敷地に二人のお墓を立てたあと、遠くに引っ越しました。』
『二人は、亡くなる時まで、娘と息子の成仏を願いました。』
『それと、両親は、必ず生まれかわって、成仏した娘と息子が、生まれかわり、再び自分たちの子供になって、産まれて来るのを望みました。』
『前世で、出来なかった分、大切に育てると言い亡くなりました。』
『そうですか……。』
『江口さんのところでは、何かありましたか?』
『はい。夢を見たそうです。娘に代わります。』
『私は、あの家の中の流れる時をみました。』
『その夢の始まりは、女の子が、五歳の誕生日に人形をプレゼントされて喜んで遊んでいる姿です。』
『女の子が遊んでいると、人形から、黒いモヤが出てきて、少女の中に入っていきました。』
『その頃から、女の子の周りで、椅子や家具が浮くように成ったみたいです。 女の子は、何かに取り憑かれてしまい、お祓いしてもダメでした。』
『数年後、母親は、男の赤ちゃんを産み 、男の子に、娘と同じようにしない為に、近づけないようにして育て、娘を避けるようになってしまったようです。』
『娘は寂しくて、イタズラをした事が、ますます両親は嫌悪するようになり、歩いて話せるようになった息子が、姉の所に遊びに行くようになり、両親は、息子を叱りました。』
『その泣き声を聞き、怒った娘は、親に攻撃しました。 ですが、その家具に当たり息子は死に、狂った両親は、娘を閉じ込めて死なせてしまったのが、始まりのようです。』
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