第14話 学校へ

『孝介くん、うちの親が変でごめんね……』

『それと、迎えに来てくれてありがとう』

(嬉しかったけど…… 恥ずかしい……)

『昨夜の事なんだけど…… 寝てたら、急に目が覚めたの⁉︎』

『そうしたら、足元に白い物が見えたの……』

『見えたと思ったら、急に目の前に女の子が現れて……ニッと笑ったの!!』

『そして、(私たちと暮らしましょう。)って言うから、イヤって抵抗したの!!』

『そうしたら、首を絞められたまま、宙に浮いて、もがいていたら……お父さんが、扉を壊して入って来て、幽霊を追い払ってくれたの……』

『でも、諦めないって言って消えたから、また来ると困るから、お祓いをしてもらう事にしたの!!』

『それでね、うちのお爺ちゃん神主をやってるの、だから今日、家に来てくれるんだって!!』

『孝介くんたちも一緒に、お祓いしてもらおうよ……』

『どうしたの⁉︎孝介くん?』

『加奈美…… 俺!! お前を好きだけど、付き合ってもいいのかな……』

『なんで急にそんな事を言うの⁉︎』

『だって、俺が行こうって言わなかったら、こんな目に合わなかっただろう』

『別に、孝介くんのせいじゃないよ‼︎ 私だって、同意したもの!!』

『だって、アレは、仕方なくだったろう⁉︎』

『私、孝介くんが一緒だから頑張れたんだよ』

『加奈美! ありがとう……俺、元気でたよ』

『俺の話しを聞いて欲しい……』

『昨日、電話を切ったあと祖父じいさんに聞いたんだ……』

『幽霊の正体を……俺の祖父の祖父が幽霊の弟だって聞いたんだ。』

『つまり、先祖って事なんだ……』

『そうなんだ…… でも、たとえそうだとしても、過去の人でしょ⁉︎』

『私は、気にしないわ!! みんなだって、気にしないと思うよ』

『だから、孝介くん元気を出して!!』

『加奈美! ありがとう……』

そこへ、比呂哉と麻里花が来た。

『おはよう!孝介、迎えに行ったの!!』

『ああ、加奈美の足が心配だったし、話したい事もあったから……』

『へえー、なんだか仲良くなってんじゃん!!』

『本当!! 怪しい!!』

『なっ⁉︎ 二人とも……』

『俺が、加奈美に告白して、昨日から付き合う事にしたんだ』

『やったじゃん加奈美!! おめでとう』

『加奈美!! 良かったね!! おめでとう』

『ありがとう…… 二人とも』

『ちょうどいい!! 話しがあるんだ……』

『孝介ー!! 空気読めよ空気……』

『ああ、悪い…… だけど、話して置きたい事があるんだ!!』

『どうしたんだ⁉︎』

『昨夜、加奈美が、幽霊の女の子に襲われた!!』

『なんだって!! 本当かい、加奈美!!』

『ええ、本当よ…… 家の夢をみて、苦しくなって目が覚めたの……』

『何か足元にあるって思ったら、急に幽霊女の子が目の前にきて、ニッと笑って、こう言ったの……(私たちと暮らしましょう)って私、イヤって抵抗をしたの!!』

『そうしたら、幽霊に首を絞められて宙釣りになったの……』

『そこへ、お父さんが扉を壊して、助けてくれたんだけど、幽霊は、(諦めない)って言って、消えたの!!』

『そんなことが、あったの!!』

『怖かっただろう』

『うん。 だけど、助かったしね』

『みんなごめん!!実は、あの幽霊は、俺の先祖だったんだ!!』

『どういうことだよ⁉︎』

『何それ⁉︎』

『俺も昨日聞いたんだが、俺の祖父じいさんの祖父が、幽霊たちの弟だったんだ……』

『だから、ごめん、迷惑かけて……』

『なーんだ、そんなことかー!!』

『気にしなくていいのに!!』

『お前はお前だろ!!』

『そうよ、先祖のしたことだからって、孝介くんが悪い訳じゃないよ』

『ほらね!! 大丈夫だったでしょ』





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る