第13話 迎えに……

(うーん……えっ?ここどこ……) あたりを見まわすと、そこには、両親と由美が寝ていた⁉︎

(あっ⁉︎ そうか!! 昨夜みんなと同じ部屋で寝たんだった……)

(怖かった…… ナゼ私が狙われたんだろう⁉︎ )

不思議な気分に思ってたら、声がした。

『加奈美、起きたの⁉︎』

『うん。 起こしてごめん。』

『大丈夫よ! 良く眠れた⁉︎』

『眠れたわ』

『おはよう!! 早起きだな⁉︎ ん⁉︎良く眠れたようだな!』

『おはよう。 お父さん! ぐっすり眠れたわ!』

『おはようお姉ちゃん』

『おはよう由美』

『さあー着替えて、朝ご飯にしましょう』

『はーい』

『着替えよう由美』

『うん。行こう』

『着替え……部屋の中だわ!』

加奈美は、そーっと中を見た。

部屋は散らかっていた。

『夢じゃなかったんだ……』

(とにかく、急いで着替えなきゃ……。)

『お姉ちゃん着替えた⁉︎』

と、聞きながら由美が入ってきた。

『やっぱり、夢じゃなかったんだ……』

『お姉ちゃんが無事で良かった‼︎』

と、由美は泣きそうでした。

『由美、ご飯食べに行こう』

『うん。』

『加奈美!首の所を見せてちょうだい。』

『薄くは成っているけど、痕が残っているわね……』

『今日は、休んだら⁉︎』

『今日は、約束しているから、首に包帯を巻いて行って来るわ』

『お母さん、今日、親父来てくれるんだろ』

『ええ、そのように話していたわ』

『そうか⁉︎ それなら、来るまで、学校に行って来なさい。』

『来たら、学校に電話するから、それまでは勉強してなさい。』

『はーい。』

『あと、友達にも、気をつけるように言うんだぞ!』

『他の子の所にも行くかも知れないからな⁉︎』

『わかったわ』

〈ピンポン〉と、チャイムが成った。

『はーい』

『クラブで一緒の山内です。加奈美さんが、昨日、足を挫いたので迎えに来ました。』

『あらまあ……わざわざすみませんねえ……』

『加奈美、山内くんが迎えに来たわよ』

『えっ!! ウソ!!何で……』

『加奈美、彼氏か⁉︎』

『えっ!! うん……』

(迎えに来るなんて……嬉しいけど、恥ずかしいわ……)

『孝介くん、どうしたの⁉︎ こんなに早く』

『昨日、足を挫いただろう、痛そうだから迎えに来たんだ』

『どうも、わざわざ加奈美のために来てくれてありがとうね』

『もう!! お父さんまで、出て来ないでよ』

『キミもサイクリング部かい⁉︎』

『はい、そうです。』

『じゃあ君も見たんだね⁉︎』

『はい。見ました。あのう……加奈美さんの首、どうかしたんですか⁉︎』

『実は、昨夜うちに来て、 娘を連れて行こうとしたんだよ……』

『なっ!! なんてことだ!! 加奈美大丈夫か? 痛みは無いか⁉︎』

『だっ!! 大丈夫よ、お父さんが助けてくれたから⁉︎』

『そっ、そうか!! 良かった!!』

『じゃあ、学校に行ってきます』

『行ってらっしゃい! きたら、迎えに行くからね』

『わかったわ……』

(うちの家族ったら……恥ずかしい……)

(孝介くんに笑われちゃうわ)

(もう!はあ……)








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る