第12話 比呂哉と孝介の所では……

『ただいま!! 今日は、危なかったよ』

『おかえりなさい。どうしたの?』

『今日さー、部活で美濃山みのうさんに行って来たんだけど……』

『俺たち今まで、美濃山に家があったの知らなかったから帰りに寄ってみようかって話してて……。』

『で、帰る途中雨が降ってきて、雨宿りさせてもらったんだ。』

『そこは誰も住んでなくてさ、じゃあ、探検しようってことで、二階行ったんだけど……。』

『部屋にたくさんのお札が貼ってあって、他の部屋も確認したら、お札があってさ……』

『そうしたら、足音が聞こえて、更にバンバンと、叩く音がしたと思ったら…… 壁中が真っ赤な血の色をした手形で埋め尽くされて、気味がわるいから、その家を出ようとしたら……』

『女の子と男の子の幽霊にあって、仲間になれって言われたけど、断ったら追いかけられて……』

『みんなと必死に逃げて来たんだよ……』

『なんてこと!! あの噂は本当だったのね!! 大変だわ!!』

『明日にでもお祓いしてもらいましょう。』

『ああーどうしましょ…… お父さんが出張なのに……』

『大丈夫だよ!! 逃げ切ったから⁉︎』

『俺は、飛んできた椅子にぶつかったけど、大丈夫だよ』

『安心できないわ!! 今まで遭遇した人たちは、熱を出したり、ケガをしたそうよ!!』

『ただの噂だと思ってたから、あなたに教えなかったの……』

『ごめんなさいね』

『他のみんなはどうしたの⁉︎ ケガしなかったの?』

『一人、逃げてる途中で、足首を捻ったけど、大きなケガはしてないよ!!』

『お祓いした方がいいわね……』

『大丈夫だよ!! 逃げ切ったから』

『俺、寝るから……』

『ご飯は食べないの?』

『うん。』

『疲れたのね! ゆっくり休みなさい。』

『母さん、お休み』

『はい。お休みなさい。』

『ああー疲れた……』

『何も考えずに眠りたい。』

比呂哉は眠った。

(タタタタ…)

と、音がした。

『うるさいな……』

『静かにしてくれ……』

と、言って更に深い眠りについた。

部屋の中で男の子の幽霊が、ジッと様子を見ていた。


孝介の所では、今日の出来事と、加奈美から聞いたことを、家族に話した。

『爺さんが言ってた、呪いの家、あったよ!!』

『なっ!! 本当にあったのか?』

『単なる噂だと思ってたが……』

『孝介、事実を話すから、ちゃんと聞いてくれ』

『あの家のことだが……実は、ウチと関係があるんだ!!』

『えっ⁉︎ どいう事⁉︎』

『あの家は、ワシの祖父の物だったんだ……』

『爺さんの…… じゃあ、俺には先祖ってことだな!!』

『そうじゃ…… お前たちが見たのは、ワシの祖父の姉と兄だよ』

『そんな……』

『祖父は、言っていたんだ、人形から、姉に取り憑いたんだと……』

『そして、取り憑かれた娘を助けようとして、部屋中にお札を貼ったのだ。』

『だが、効き目がなく、ますます症状が酷くなったそうだ』

『そんな時に弟が産まれ、弟ばかり可愛がるようになって、姉は嫉妬したんだ。』

ある日、弟は、姉と遊びたくて、部屋に入って行った。

姉は遊びに来た弟を可愛がった。

しかし、親たちは、弟と遊ぶのを嫌がり、怒った姉はテーブルや椅子などを投げ付けた。

その時、誤って弟を死なせてしまい、このことがきっかけで、狂った両親は、姉をバツの為に閉じ込めた。

それから我に返った両親は、娘の死をしり、自分たちの過ちに気づき娘と息子を供養して、両親たちは、家を壊して引っ越していったんだ。引っ越した後に妊娠がわかり、祖父が産まれ、娘と息子の分も可愛がったんだ。









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