第9話 その夜のこと……

その晩、夢を見た。

孝介くんと、デートして楽しかった夢を見た…

でも、途中からあの屋敷の中が出て来て目が覚めた。

『うーん…… 苦しい助けて……』

<ガバッ>と、起きて夢を見ていたんだとわかった。

でも、なんだか足元が変だった。

おそるおそる見てみると、何か白い物が動いた。

次の瞬間‼︎ それは、目の前に来て<ニッ>と笑った!!

薄く笑って幽霊女の子は、((私たちと、暮らしましょう。))と、いい、ギラギラした目で、加奈美を見下ろした。

『イヤよ!! 行かないわ!! 私は、家族の所にいたいの!! あなたの仲間にはなれないわ!!』

『やめて!! キャー!!!! たすけて!!!!』

悲鳴は家中に響き渡り、家族が慌てて部屋にやってきた。

『なっ⁉︎ なんだ!! どうしたんだ⁉︎ 中に入るぞ!!』

<ガチャガチャ>

カギがかかっている。

『開けなさい加奈美!! どうしたんだ!!』

『助けてお父さん!! 居るの!! あの子が居るの!!』

『何だって!! 待ってろ!! 今、助けるからな!!』

『お母さん!! 由美と一緒にいてくれ!! それから、親父オヤジに電話して、どう対処するか聞いてくれ!!』

『わ、わかったわ!! 行くわよ由美!!』

『うん。 お姉ちゃん大丈夫かな?』

『大丈夫よ! お父さんが付いてるんだから!!』

二人は、指示通り祖父そふの家に電話をかけに行った。


その頃、父親は加奈美を助けるために、扉に体当たりをしていた。

何度目かの体当たりで、扉が壊れて中に入ることができた。

そこで見た物は、女の子の幽霊に首を絞められ、宙に浮いてる加奈美の姿が目の前にあった。

父親は、加奈美を助けるため近付こうとしたが、跳ね飛ばされた!!

『加奈美を離せ!! 大事な娘なんだ!! 離してくれ頼む!!』

それでも、あきらめず、父親は、必死に加奈美に近付こうとした。

幽霊は父親を見て、凄い形相で睨み付けてきた。

((お前たちがいるから、私の元に来ないんだ、消えろ!!))

と、部屋の家具を父親に投げ飛ばした。

『やめて!! お父さんに何するの!!……』

父親は、なんとか避けて、幽霊に掴みかかった。

幽霊は冷たくて実体を掴んだ感じがしなかった。

だが、、幽霊は加奈美から手を離し、父親を見た。

((今日は帰るが、私は諦めないわ))

幽霊は、口惜しそうに消えた。


母親と由美は父親の言いつけ通り、祖父に電話をして今の状況をはなした。

祖父がいうには、家の入り口や窓などに、盛り塩を置くのが、良いと言うこと。

それにお祓いをすることだと教えられた。

祖父おじいちゃんは、助けてくれるの?』

『祖父から、対処の仕方を聞いたから大丈夫よ』

『じゃあ、すぐに準備しましょう』

『小皿を数枚出してくれる⁉︎』

『それに塩を盛るのよ』

『急いで、お姉ちゃんの所に持って行こう』

『うん。』

2人は加奈美の部屋に向かった。

そこで見たものは、父親が必死に幽霊の攻撃をかわし、幽霊に掴みかかった所だった。

そして、幽霊が消える瞬間を目の当たりにし安堵した。




















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