第8話 そんなことが、あったの……

『しばらくして、その跡地に都会から来た人が、別荘を建てたんだけど、家の中で、走る音や家具が宙を舞ったりして、気味が悪くなった持ち主は、その家を手放すことにしたの』

『だけど、家を買う人は現われず、家を壊すことにして、そこは更地になったわ』

『それからよ、日曜日が九の日は、幻の家が見えるようになって、人々を誘うようになったのは……』

『だから、地元の人たちは、呪いの家に入らないように、子供たちに話すことにしたのよ』

『ただいま……』

『おかえりなさい。』

『お父さんおかえりなさい。』

『おかえりなさい。』

『加奈美‼︎ 大丈夫か‼︎』

美濃山みのうさんに行ったんだって‼︎』

『うん……』

『お母さん、子供たちに話はしたのか⁉︎』

『今、話しをしたところよ』

『そうか……』

『そこで、あったのか‼︎』

『ええ、家があって、雨宿りさせてもらおうと思って、中に入ったの……』

『で、廃虚だと思って、探検したら、ビッシリと、お札が貼ってあったから、他にもないかと探して、帰ろうと思ったら、子供たちの幽霊にあって、追いかけられたの…』

『なんてことだ……』

『行ったのは何人だ⁉︎』

『クラブの人たちと行ったから、私を入れて四人よ』

『みんなは知らなかったのか!』

『家があったけど取り壊したっていうことだけ、知っている人がいたわ!』

『家を見たみんなは、家があったのに、気付かなかったんだろうって思っていて……』

『そうか! みんな知らなかったんだな⁉︎』

『お祓いをしてもらわなくては、ダメだな……』

『お祓い⁉︎』

『そうだよ。昔から、家を見たらお祓いするようにって、言われていたんだ。』

『そうなんだ……』

『加奈美! これは、魔除けの御守りだから、今晩は、これを離さずに寝なさい! わかったな!』

『はい……』

(どうしよう⁉︎ まさかこんなに、大事になるなんて……)

(みんなは、どうしているんだろう⁉︎ 電話してみようかな⁉︎)

(よし!思いきって‼︎)

『もしもし…… 孝介くん』

ー『ああ、加奈美か! どうした⁉︎』ー

『今日はありがとう! 好きって言われて嬉しかったわ!』

ー『俺も返事をもらえて嬉しかったよ!』ー

『あのね…… 実は、今日の家のことなんだけど、親に言われたの……』

『呪われた家は、地元の人には有名な話で、九日が日曜日の日は誘われるから、山に行ってはダメって、言われているらしいの⁉︎』

ー『そうか、だから呪われた家って、言ってたんだ……』ー

『私の親が、お祓いした方がいいって! 孝介くんは、どうするのかとおもって……』

ー『そうだな、話してみるよ!』ー

『じゃあね! また明日、お休みなさい。』

ー『ああ! また明日な!! お休み。』ー

(孝介くんと両想いだったなんて、とても嬉しいわ…)

(いい夢が見られますように……)

『明日が、楽しみだわ! さあ寝よう! 』

この時、陰からこちらをジッと、見ている者に気が付かないでいた。






















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