第6話 何処までもついてくる…幽霊

玄関に向かって、四人は走った。

後ろから、女の子と男の子の幽霊が追いかけて来る。

いきなり、花瓶やら、箪笥の引き出しなどが、四人をめがけて飛んできた。

『危ない‼︎ 加奈美‼︎ 避けろ‼︎』

と、孝介が危機一発で、助けてくれた。

『ありがとう、助かったわ』

玄関の周りの物が、次々と四人に襲いかかる

比呂哉が避けきれず、飛んできた椅子に直撃した。

だが、逃げなくてはならない。

痛みを我慢し、玄関に辿り着いた。

四人はカギを壊し、外に出た。

しかし、子供の幽霊は、執拗しつように後をついて来た。

『なぜ、家から出られるの⁉︎』

『わからない⁉︎ たぶん俺たちが、封印をといたからじゃないかなぁ?』

『とにかく、逃げましょ』

『そうだなぁ、この先に、俺たちの自転車がある!そこまでもう少しだから、みんな頑張れ‼︎』

『うん』

『そうね!』

『おう‼︎』

((待ちなさい!))

幽霊女の子達は、に四人を追いかけた。

『あっ! 痛い‼︎』

『大丈夫か⁉︎』

『ちょっと足をくじいただけ……』

『無理しないで、でも頑張ってね!』

『四人一緒に帰ろう‼︎』

一生懸命に走った。

四人はなんとか、自転車の止めた場所にたどり着いた。

どうやら、幽霊女の子達を振り切ったようだ。

おそらく森を抜けたからだと思った。

『もう、襲って来ないだろう?』

『そうだといいが…』

『とにかく、早く帰りたい…』

『そうね、私もだわ』

この時、幽霊女の子達がじっと!見ていたことに、誰も気付かなかった。

『助かったの⁉︎』

『一時はどうなるかと思った……』

『そうだな、危なかった……』

『みんな! 怖い思いをさせて悪かった、ゴメン』

『俺もゴメン! 探検に夢中に成って迷惑かけた……』

『私こそ、もっと! やめようって、ハッキリ言ってたら、こんなことに成らなかったと思う……』

『私も、ちゃんと言えばよかった……』

四人は、互いに謝りあった。

あははは……と、みんなは笑った。

帰り道は、怖いことを忘れようとしてか、みんなで明るい話しをして笑いあった。

四人は自分達の街に入り、集合場所にたどり着いた。

『今日は、色々あったが、夢を見たと思い、忘れて各自ゆっくりと休もう!』

『じゃあ、明日学校で会おう』

『あの…孝介くん⁉︎ 加奈美が足をくじいて、心配だから送ってあげてくれる⁉︎』

『ま、麻里花、大丈夫だから……』

『そうだよ、加奈美!孝介に送ってもらえばいいよ!』

『加奈美! 俺が送ってやるよ!』

『えっ! いいの⁉︎ でも、悪いは……』

『よし! 決まり!』

『比呂哉、お前は麻里花を送ってくれ。』

『わかった! 麻里花⁉︎ 行こうか! じゃあ、明日な!』

『明日ね! 加奈美、孝介!』

『うん。また明日……』

『それじゃあ、俺たちも行こうか!』

『うん。お願いします。』

(うわー、孝介くんと二人っきり……緊張するなぁ……)

(でも、今日一日で、随分と仲良くなった気がする……)

『どうした……気分でも悪いのか⁉︎』

『そ、そんなことないよ! ただ、男の人と二人でいるのが初めてだから緊張しただけ…』

『俺だって初めてたぞ』

二人はうつ向き、顔を赤くし自転車を走らせた。













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