第5話 まさか…こんなことに…

『次は最初の部屋の、隣りを見てみよう!』

今度は、ちゃんと扉を確認してから部屋に入った。

やっぱり、この部屋にもあるのだろうか?

四人は部屋の中を見まわした。

ここは、男の子の部屋のようだ。

白壁と青い壁のツートンだから、そう思うのだろうか?

『この部屋は男の子の部屋だろう⁉︎』

『そうだな……車のオモチャが置いてあるからな…』

(タタタタタ…)

『今の音は何⁉︎』

『誰かが走っているような音がしたわね⁉︎』

『誰か帰って来たのか⁉︎』

『うーん? 子供が走ってるような、音だったような…』

『家の人が、戻って来たのかも知れないぞ‼︎』

『下に行こう! それで、勝手に家に入ったことを謝ろう!』

下に行く為に部屋を出ようとすると、突然‼︎

(バンバンバンバン‼︎)と、もの凄い音が壁からした。

すると、白い壁に子供の手と思われる手がたが、血の色でビッシリと埋め尽くされていた。

『キャー何‼︎ なんなの…孝介くん助けてー‼︎』

加奈美は、必死で孝介にしがみついた。

麻里花も比呂哉にしがみついた。

四人は部屋を出ようとしたが、いつの間にか、カギがかかっていた。

孝介と比呂哉は、加奈美と麻理花に離れている様に言い、二人は扉に体当たりした。

直ぐには開かず何度も体当たりした。

その間中(タタタタ……)と走る音や(バンバンバンバン‼︎)と、何かが叩く音が聞こえた。

扉が壊れた。

四人は、下の階へ行こうとした時‼︎

奥の部屋から、女の子が薄く笑いながら出てきた。

どうやら写真の子のようだ。

側には男の子もいる。

女の子が話しかけてきた。

((私たちの仲間に成って、そして、ここで生活するのよ‼︎))

けれど、直接耳に聞こえるのではなく、頭の中に聞こえた。

みんなはビックリして女の子を見た。

よく見ると、女の子も男の子も薄っすらと透けていて、明らかに幽霊だとわかった。

四人はギョっとした。

急いで逃げなくては成らないのに、体が動かない。

金縛りだ。 女の子の幽霊が近ずいてくる‼︎

女の子が目の前に来て再度同じことを聞いてきた

((ねえ! 仲間に成って、ここで生活して))

『で、できるわけないだろう‼︎』

『そうだ!!』

『イヤよ、私は家に帰るんだから‼︎』

『私も、家に帰るわ』

((私たちと一緒にいてくれないの!!))

((どうして、ここにいてくれないの‼︎))

((お父さまは、私たちを閉じ込めて、お母さまと一緒に出て行ったわ!))

((あなた達も、私たちを置いて行くの‼︎))

((そんなこと許さないんだから!!))

((あなた達は、ここにいてもらうからね‼︎))

『俺たちは、家に帰るんだ。』

『だから、お前たちとは一緒にいられないんだ!!』

『俺らを帰してくれ‼︎ 勝手に入ったことは謝る! ゴメン』

((そんなことは、どうでもいいわ!))

((あなた達‼︎ ここには、雨宿りで来たのよね))

((私たちがここに呼んだのよ‼︎))

『どうして、私たちなの……』

『あなたには悪いけど、一緒にはいられないわ!』

『うっ、金縛りがとけた……』

『俺もさ‼︎』

『私も‼︎』

『私もよ‼︎』

『行くぞ‼︎』

四人はいっせいに駆け出した。







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