第4話 何でこんな物が、たくさん…

『まあ、待て、他にもあるかも知れない。』

『そうだな! 俺も探すのを手伝うよ‼︎』

『あれ? ドレッサーの裏とか引き出しの裏! それにソファーだろ……』

『窓に箪笥タンスに……』

『何だ‼︎を見てみろよ‼︎』

みんなで一斉に天井を見上げた。

『なっ‼︎ 何なんだ‼︎ この天井、お札でビッシリじゃないか‼︎』

『やだ……早くここを出ようよ……』

『加奈美、大丈夫⁉︎』

『ありがとう、麻里花! 大丈夫って言いたいけど、やっぱり怖いわ……』

『加奈美⁉︎ 麻里花⁉︎ 大丈夫か?』

『孝介くんこの部屋出ない⁉︎』

『ああ、そうだな⁉︎比呂哉! でるぞ‼︎』

『了解! それにしても凄いなあ……この部屋⁉︎』

四人はこの部屋を出た時に、何かがじっと見ていたのに、気付かなかった。

『じゃあ、次の部屋に行こう!』

『まだ行くの⁉︎』

『加奈美大丈夫さ‼︎ いざとなったら、孝介が助けてくれるだろう!』

『う、うん…』

『それに仲良くなるチャンスだろ⁉︎』

『そ、それはそうだけど……』

(私ったら、何、素直に答えてんの……恥ずかしい……)

『加奈美⁉︎ 協力者が増えたね!』

『麻里花、からかわないで……』

『どうした⁉︎ 何かあったのか⁉︎』

『大丈夫よ!』

『それならいいが……』

『よし! 次の部屋に入るぞ‼︎』

今度は、反対側の部屋を見ることにした。

今度の部屋は、さっきより広く、少し落ち着いた感じがした。

勿論、ここにも家具があり、壁側のテーブルには家族の写真らしき物が 飾られていた。

おそらくここは夫婦の部屋だろう。

隣の扉を開けると、夫婦の洋服がビッシリとかけられてあった。

何となく四人は、を感じた。

だが、誰もが、気のせいだと思い口にする者はいなかった。

『うーん……この部屋は普通だなぁ……』

『ここにもお札が貼っていないか、確かめてみようぜ‼︎』

『うん……』

(怖いけど、孝介くんが一緒だから頑張る)

『加奈美、!という時には、私がいるからね‼︎』

『さあ、探すぞ‼︎』

『おー、あったぞ‼︎ みんな! もっと探すぞ‼︎』

『ベットの下! あるか⁉︎』

『角に四枚貼ってある……』

『よーし‼︎ おっ箪笥には一枚貼ってある』

『次は……あった‼︎ ソファーの下に、それぞれ一枚ずつ貼ってある!』

この部屋にも、最初の部屋ほどではないが、数枚のお札を見つけた。

『なんだろう……さっきから視線を感じる』

『孝介が、加奈美のこと見てたんだろう⁉︎』

『なっ、何言ってるの、もう……』

(恥ずかしい……)

そして、次の部屋に行くために廊下に出た。

入る時に気付かなかったが、扉の上の方の壁に、やはりお札が貼ってあった。

いったい、何なのだろうか?

こんなにお札を、貼らなければ成らない様なことがあったんだろうか?

四人は疑問に思った。

『なあー孝介! 何なんだろう……こんなにお札を貼っているんだろうな……』

『俺も詳しくは知らない……ただ、だと、祖父から聞いているだけだ……』

『ヤダ孝介くん‼︎ 怖いこと言わないでくれる⁉︎』

(早くここから出たいよ……)

『麻里花……怖い』

私は麻里花に、抱きついて震えた……。















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