第3話 何この家…
『ごめんください。』
『 どなたかいらしゃいますか……?
『家に入りますよ……?』
『いないみたいだな……』
この家には、誰も住んでる様子はありませんでした。
『よし! リビングを借りようか?』
『えっ! ここで休むの……』
(なんだか怖いんだけど……)
(それに、なんだか不気味なんだもの……)
『ねえ⁉︎ 麻里花……私、この家怖いわ……』
『大丈夫! 加奈美……こいうの苦手だったよね⁉︎』
『麻里花……一緒にいてね⁉︎』
『わかったわ……でも……』
『山内くんの側の方が安心でしょう⁉︎』
『はっ、恥ずかしくて行けないわ……。』
『こんな時だから守ってもらわなくちゃ‼︎』
『山内くん、加奈美ったら怖がりだから、一緒にいてくれる⁉︎』
『待って麻里花……』
『へえー
(意外だなあ……何だか可愛いし……。)
『そ、そんなことないわ…』
『加奈美!ちゃんと山内くんに守ってもらってね‼︎』
『もう! 麻里花ったら……』
『楠さん! 何があっても、俺が守るから‼︎』
『ありがとう……山内くん』
『そう! 前から言おうと思ってたんだけど、俺のことは孝介って呼びすてでいいよ!』
『江口さんも呼びすてでいいから!』
『わかったわ、私達のことも呼びすてで良いからね』
『加奈美も呼びすてでいいわよね⁉︎』
『私も呼びすてで、お願いします。』
『じゃあ、俺も同じでよろしくな!』
何だか、一気に距離が縮まった気がする。
みんなが和んだ。
『よーし! この際だから、この家を探検しようじゃないか⁉︎』
『孝介くん……それは、家の持ち主に悪いんじゃない⁉︎』
『だって、今だって、黙って家の中にいるんだし……』
『大丈夫さ、この家の戸が開いていたし、ホコリっぽいから、誰もここには来ないさ』
『大丈夫だよ! こんなこと滅多にないことだしな‼︎』
『わかったわ、少しだけ探検しましょう。』
四人は、まず二階に行く事にした。
その時、玄関のドアが〈カチャリ〉と、閉まったのに誰もが、気付かなかった。
みんなの階段を上る音が、〈ギシギシ〉響き渡り、家の中の静けさで、余計に不気味に思えた。
最初に、奥の部屋に入ることにした。
このとき、扉の音に紛れて、何かが切れた音には、誰も気付かなかった。
最初の部屋は、天蓋付きベットと、ドレッサー、それから、机やソファーなどの家具が置いてあった。
ここは、女の子の部屋だろう。
みんなは、ホコリさえ無ければ、いい部屋なのに勿体ないと、口々に言った。
『アレ、何かしら……今、ベットの下に白い物が見えたわ…』
『どうした⁉︎ 何かあったのか?』
『今、ベットの下に白い物が見えたの……』
『気のせいかも知れないけれど……』
『今、見てみるから、うーん、何もないぞ……』
『あれ⁉︎ ベットの裏に紙が貼ってある。』
『なんだコレ……お札だ‼︎なんでこんなのが貼ってあるんだ‼︎』
『孝介、どうしたんだ‼︎』
『比呂哉! これ見てみろよ‼︎』
『なんだ……これは、何の為にベットの下に、お札なんか貼ってあるんだ‼︎』
『お札だなんて! 薄気味悪いわ‼︎』
『そうよ、早く出ましょう‼︎』
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