第2話 ウソ!廃虚だったなんて…

『さあ……休憩はいいな⁉︎』

『うん 大丈夫よ。』

『私もokよ!』

『俺もいいよ!』

『さあ! 下りるぞ』

四人は、山を下りはじめた……。

『いつ見ても良い眺めね!』

『そうだな! ん⁉︎……何だ!霧が出てきたぞ』

『本当だわ⁉︎ なぜ……』

『さっきまで、空は青くて、雲ひとつ無かったよな⁉︎』

『木々も綺麗だったし、街なみも綺麗だったわよね……』

何だか別の世界に迷い込んだようだ。

動かない方が良かったのに、四人は、ゆっくりと山を下り始めた。

『さあ……この道を下れば、下に着くはずだから、ゆっくりと下りるぞ‼︎』

『みんな、離れるなよ‼︎ それに、足元に気を付けないとケガをするからな‼︎』

『はい。わかったわ……でも、なんか不気味よね……』

『私もそう思うわ……』

『そうだな……天気だったのにいきなり霧だからなぁ……』

『まあ……確かに突然の霧だが……』

『あの……山内くん? 服を掴んでもいい?』

『えっ? ああ…掴んでた方が安心だからな⁉︎』

『じゃあ私は、加奈美に掴まるわ!』

『俺は、江口さんに掴まって後ろを守るよ!』

『比呂哉! 頼むぞ!』

『了解‼︎ お任せあれ!』

『南くん頼もしいね!』

くすのきさん……俺だって頼もしいし、みんなを守るから安心してくれ……』

『山内くんムキになってる⁉︎』

(山内くんに触れられて嬉しい‼︎)

『そうね!ウフフ……』

(加奈美ったら嬉しそう……良かったわ!ナイス!』

『山内、焼きもちか⁉︎ 楠さんにめて欲しかったんだろう……?』

『何だそれ……』

(山内くんは耳を真赤にしているわ……)

(もしかして、私のことが好き⁉︎)

(そんな都合の良い話はないよねー)

四人は、霧でお互いが、見えなくなることに気をつけながら歩いた。

しばらく歩いた四人は家を見つけた。

すると、突然雨が降ってきた。

四人は木の下に隠れ、雨を凌ぐことにした。

『雨、やまないね……いつ迄降るんだろう⁉︎』

『雨、なんだか強くなってない?』

『そうだね…孝介! あの家で、雨やどりさせてもらおうぜ!』

『そうだな…俺もそう思うんだけど……登りの時 見かけたけど……前から無かったと思うんだ……⁉︎』

『祖父が子供の頃には、家があったらしが……しばらくして、取り壊したらしい。』

『ヤダ‼︎ やめてよね! 山内くん……変なこと言わないでくれる!』

『本当に家を壊したの? その後にまた、家を建て直したんじゃなくて⁉︎

(なんか怖い……こういうのって苦手なんだよね……)

『うーん……そうかもな?』

『家に、気付かなかっただけ……だったんだよな⁉︎』

『そうと決まれば、あの家で雨やどりさせてもらおうぜ‼︎』

みんなで家に向かって歩き始めた。

『何だ、ずいぶんと古い家だな……』

『行きに見た時より古く感じる。』

『誰か住んでいるんだろうか?』

『寒い、中に入れてもらおうよ……』

『そうね……このままじゃ風邪を引いちゃうわ……』

みんなで呼び鈴を押した。

返事が無い……。

山内くんがドアを開けると……空き家というより廃虚だった。

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