分からなくなった時の用語解説

 色々と独自用語の多い本編を読むにあたり、「これなんだっけ」と混乱した時用の、最低限簡易な説明エントリー、兼、備忘録です。

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【重要用語】順不同

 とりあえずここだけ見てればOK。


神灵カミ:存在

 存在の全情報を記録し、バックアップする「魂」を与える絶対権能存在。

 本体は魂の故郷である高次元に存在し、地上では神樹を依り代に姿を現す。

 寿命が尽きていない人間が死亡した場合、再度その生命を再生してくれる。


■ニング(兒訝じが):存在

 霊的弱者。離魂体、もしくは重魂体。神灵に与えられた「魂」に何らかの異常が見られ、復活が出来ない。肉体と霊魂のズレにより、足元に影が落ちないのが特徴。

 短命でもあり、他者を傷つけて影を奪うことで永らえ、更に同じニングに変えてしまう。そのため、化け物扱いで狩りたてられるさだめ。

 それ以外にも、様々な特殊能力を持ち、危険視されている。


八朶宗はちだしゅう:組織

 ニングの神灵・如夷にょい霊王母れいおうぼ娘々にゃんにゃん(略:如夷霊母にょいれいぼ)を崇める、ニングによるニングのための組織。影を奪われる心配がないため、同族狩りを行うことで人間社会に存在を許容されている。

 その裏の顔は、権力者にとって都合の悪い者に、復活無き「真の死」をおくる暗殺者集団である。帝国政府神霊庁しんれいちょう公教局こうきょうきょくの管轄下にある。


打神だしん翻天はんてん:組織

 八朶宗に属さないニングたちが、相互扶助を目的として寄り集まった反動集団テロリスト

 ニング狩りに抵抗しながら、意図的に同族を増やす活動を行っている。


無缺環むけつかん:組織

 八朶宗所属の一般ニングが構成するコミュニティ。群体生物。

 如夷霊母を通してニング同士の魂を結合することで欠損を補い、霊的人権を回復した。八朶宗側がコントロールを握っており、全国に散りながら己では意識すること無く、情報収集、猟客のサポートなどの業務を任されている。

 最大の特徴は、魂魄同調秘匿回線〝霊訊れいじん〟による通信機能。


内力ないりき:エネルギー

 体内を巡る「気の力」。内力を扱うことを「内功」と言うが、要は「魂魄伝導」と「振魂励起」の伝統的な言い方。

 肉体を持ちながら、魂の重み(=霊価)で撃てば、その拳は岩をも砕き、海を穿つ。ニングは大なり小なり魂が漏出しているため、常人より内功に適性がある。

 とりあえずこれがあれば、大抵のことは出来る。


像身功ぞうしんこう:技術

 内力を巡らせ(この場合は振魂励起)、魂の欠損を補ったり、見せかけの影を作る技術。短命の定めにあるニングが、出来るだけ命を永らえるのに必須。

 八朶宗はこれを系統化し、八花拳という独自の戦闘術に高めている。


万神ばんしん万死ばんし天猟てんりょう心母しんぼ:樹械

 打神翻天が所有する樹械心臓の一種。何やら特別な力を持つようだが……?


樹械きかい:テクノロジー

 植物でありながら、複雑な機構や植物らしからぬ特性を備えたもの。臓器の代わりをする苗、発電する樹、植え付けた人体を強化する草花など。

 作中世界の主なテクノロジーはこれで成り立っている。


大閻だいえん帝国ていこく:国家

 本作の主な舞台、現実の中国に相当する。閻国、閻朝。

 主要神格およそ三百六十五柱を擁する大国。

 物語はその特別行政区・媽京まきょうから幕を開ける。

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【その他の用語】あいうえお順

 ここから先は本編のオマケ要素です。与太話程度にお読み下さい。随時更新。


青匈奴あおきょうど:民族

 緑肌人。別名を允怛阿いんだつあ、ムガサジャ。

 人類で最初に樹械(彼らの言語では〝バダダブ〟)を使った民族。先祖代々、樹械を体に取り入れ続けてきたため、植物に近い性質を持つに至っている。

 森に住む青匈奴は神秘的で、死ぬ時は樹木に変わるが、都市に住む青匈奴は肌の色以外、さほど特殊性はない。


鬼卒きそつ使鬼しき:職業/テクノロジー

 まったき魂を持つ人間は、死亡すると人鬼じんきと呼ばれ、冥府で暮らす。

 この中から、神霊庁で雇用される死者が鬼卒である。

 使鬼は、ニングの魂を霊符などに封じ込め、単純な命令を実行する作業霊体として加工したもの。通常は使い捨て。

 かつては大量の贄を用い、使鬼を砲弾として撃ち出す兵器もあった。


魂魄こんぱく伝導でんどう

※17/1/12現在:本編での公開をお待ち下さい。


晶体植物しょうたいしょくぶつ:樹械

 鉱物と植物の性質を併せ持つ、発電能力のある樹。見た目は青い水晶のような鉱物で、太陽の方向へ伸びていく。育てるには大量の綺麗な水が必要。


次元じげん歯車はぐるま:テクノロジー

 古語では因次いんじ牙輪がりん。超次元構造体。胞体歯車。

 基本的には「ただの歯車」だが、通常目にすることが出来る姿は、高次元に存在する本体がこの世に落とした「立体の影」に過ぎない。

 作中世界で出て来るコンピューター類はすべてこれを使用しており、一部の高等なものは人工頭脳を作るまでに至っている。

 元々はとある仙人がもたらした高次元技術であり、その性能にはあえて制限がかけられているらしい。


臓器苗ぞうきなえ:樹械

 種を蒔けば土、または水から生えてすくすく育つ、移植用植物性臓器群。品種はほとんどが人間用臓器で、一部にウマ用やウシ用、愛玩動物用がある。

 体に植え付けることで失った、または損壊した臓器の代わりを果たすが、遺伝性を持つことが特徴。移植後に生まれてきた子は、50%の確率で、体内に臓器苗の断片的特徴を持つことになる。生きる上では、特に問題はない。

 ただし、数世代重ねて臓器苗を入れ続けていると体が植物に近づき、皮膚が葉緑素を持つようになったりする。

 作中で少しだけ出て来る青匈奴あおきょうど(オリーブ色の肌を持つ人々)は、先祖代々臓器苗を使い続けてきたため、半植物性変異人類に進化している。


蔵魂器ぞうこんき:テクノロジー

 霊具の一種、魂宿る道具のこと。ただしこの場合の魂は「霊力の発生源」となる核のことであり、意志や知性が宿っていると言う意味ではない。

 作成には最低一人分の生贄を必要とするため、神霊庁の許可なく所持・製造することは重罪。魂を封じる手間から、ニングを潰して造ることが多い。


樹霊じゅれい:存在

 1.人間としての寿命を終え、樹木になった青匈奴の魂。

 2.植物の生育を司る神灵・順風風雨神が管理する霊樹に宿るエネルギー。


樹霊発電じゅれいはつでん:テクノロジー

 地にある魂が天へと昇る時に発生する、霊位勾配(霊価=電荷の移動)を利用した発電。古代における人身御供の原理、特にその樹木版。

 かつては鶏を潰す、牛を殺すなどの方法も使われたが、現代では植物が最も効率がよく穏便であるとされ、世界的に普及している。


電磁でんじ蒸気じょうき:テクノロジー

 炭になることで凝縮された樹霊たちが、焼却されることで高次元に相転移する際に発生する排煙。天国への階段。神通煙。

 大閻では神灵が仮の依り代として使っていた御神体を破棄する際、大々的な儀式を行って燃やしていた。その時から、魂あるものを燃やすと天へ続く煙の道が発生することが知られており、蒸気機関の発明と共にそれは樹霊発電と結びついた。


灰魚ツイグー(かいぎょ):生物

 ミズチノトカゲギス目オオカイギョ科カイギョ属カイギョC.

 宙遊漁(空を飛ぶ魚)の一種。見た目が深海のギャング・ホウライエソそっくりなのでグロテスクかつ怖い。都市部の煙害対策として放流されたが、煙害が減ると今度は邪魔になって人間から狩られるようになった悲劇の魚。

 一時期テレビ番組では「灰魚の姿焼き」が罰ゲーム料理の定番であったが、ただ不味いだけでなく、人体に有害な鉛を多く含むことから食べてはいけない魚になった。

 許可なく飼育すると罰金を取られる。


巴氏はし滅花めっか:樹械

 正式名称は巴氏はし(パクセウル)式滅菌めっきん瑶花ようか。強力な殺菌作用を持つ花で、火にくべるだけでその匂いと明かりは虫や小動物(犬猫烏鼠など)を近づけない。

 名前の由来は自由法国の生化学者並びに殺菌学者、ムトサーヘ・パクセウル博士。

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