第6話


この会社に来て早くも先輩から「隊長」と


呼んでくれるようになった。


新人の私をいじってくれ、他の先輩に


顔を広めてくれました。


ここでも良い人に巡り会え、私は幸せな男です。






☆ 転職先での活躍 ☆


公営バス会社に来て三年目の冬、


年末年始に大雪の予報だった。


会社は休みの事務所要員を呼び出し、


トラックで凍結防止剤を撒きに行きます。


特に、橋の上や坂道などが中心です。


路線バスは台風や降雪でも運休しない。


降雪ならチェーンを巻いて走行します。


但し、ダイヤは乱れますが。


積雪がある日は、乗車するお客は


遅れてくるバスに感謝してくれます。


何時ものバス停まで送ってくれるから。


そんな日は、遅れている事に苦情をいう人は


誰も居ない。


そんなある日、前日の降雪が凍結して


朝の運行に支障があると思い、


私は休みでしたが、


元自衛官の血が騒ぎ、


何かお手伝いをしたいと思い、朝の4時から


車庫に向かった。上司が既に


凍結防止剤を撒きに行く


準備の為に出勤していた。


私はトラックに凍結防止剤を積むのを


手伝い、現場作業員は手が足りているので、


迷惑でなかったら事務所で電話の


応対をして欲しいと頼まれ承知しました。


朝から多くのお客様から申し訳無さそうに、


バス運行の問い合わせがかかってきた。


お客「◯◯バス停のバスは、今日は


きますか?」


ヒデ「朝一番からバスは走りますよ!


朝から融雪剤を撒きに行き、バスが


走れる様にしています。


安全運転でゆっくり走りますので、


到着は遅れるかもしれませんので、


余裕をもってご利用下さい。」と私はアピール


を兼ねて対応しました。


お客「え〜 こんなに雪が積もって


いるのに走ってくれるなんて、


ありがとうございます」


ヒデ「こちらこそ、ありがとうございます!


これからもご利用お待ちしています。」


多分、電話の相手は事務所の係員


と思っていたかと。まさか乗務員とは


分からなかったでしょう。


乗務員は、運転以外の仕事は


やりたくない人が多い。私は


会社のすべての業務が出来るよう


心掛けている。電話対応している時、


点呼場から丸見えで、ヒデちゃん


似合ってる!とか、電話番やらされている


のか?など言われるが、


私の信頼するグループの先輩は評価


してくれた。


またある人は、あいつ何やってるんや!


と陰口を叩く人がいるが気にはしません。


自分はお客の為、会社の為、仲間の為に


貢献しただけ。ゴマをするのが目的なら


早朝に出勤なんかしません。


電話対応はあまり経験がないけど、


もし仕事が無くなったら、電話対応の仕事も


出来るなぁ〜と思った。



★☆ 奇跡が! ☆★



そして4年目に正社員になるチャンスが来て、


これまでの態度や活躍を評価と、


会社の先輩や仲間から試験担当の上役へ、


私の事を伝えて貰い、その現場の声が


届き正社員に合格させてくれました。


奇跡でした。


この会社でも微力ではありますが


自分の力や経験を活かして元気に楽しく、


お客様*会社*仲間の為に貢献していきます。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る