第2話

☆ 車内事故とは ☆


今日は15時出勤、終わるのは夜23時台


ヒデ「今日のバスは?21-00号車!」


阪都バスのお下がりであるが、


当社初のオートマ車である。と言っても、


オートマ車の初代モデルで乗り心地は


最悪である。何故かはオートマだけど


ギアーが変わる時に、ショックがすごい。


ガタンとか一瞬急ブレーキをかけた状況が


突然起こり、乗務員は皆ビビリながら


運転していた。


ヒデちゃんはマイク案内にて、


「お客様にお知らせします。このバスは


オートマチック車です。ですがギアが


変わる時に、ショックがありますので


ご注意下さい」と言って、車内での


急なショックの為の車内事故を防いで


いました。


車内の自動アナウンスで「車内事故防止」


とよく聞くかと思いますが、車内事故とは


お客様がバス車内で転倒などで怪我をする


事です。


お客様の不注意で転倒しても会社と警察に


報告しなければならない。


お客様が「大丈夫ですから!」


と言って降りて行っても、警察に事故の


報告をしている。男性女性、年齢や服装など


特徴と、どういう状況だったのかを検証


します。


後ちに、お客が「あの時は、大丈夫でしたが


家に帰ったら腕が痛くなって病院に行き


ました。だから治療費を下さい。」


と翌日になってから会社に請求する


事が多々あります。


乗務員はマイクにて「手摺りかつり革


を持ち、止まるまでお待ち下さい!」


など注意する案内と急ブレーキがなければ、


警察官は乗務員の落ち度はないそうです。


怪我をしたと申告してきたお客も


翌日、警察官と事故現場検証をして、


乗務員の注意する案内は聞こえなかったの?


あなた(自分自信)の不注意で転倒したん


ですよ!これからは注意して下さい。


など警察官の方が言ってくれている


事もある。




☆ 路線バスの他に、何でも乗る ☆


私の会社は空港リムジンバスの


担当のもある。


当社の空港リムジンは、空港に行くまでに


3箇所のバス停に寄らなければならない。


1番目と2番目のバス停は予約制で、


3番目のバス停だけは予約ではない。


但し20席は空けておかなければならない


ルールがあった。


その為に、何人乗車しているか人数


を数え、荷物に札を付けて半券を


乗客に渡しトランクに荷物を積むまでを、


一人でやっていた。また3番目の


乗り場には、ポーター兼乗車券を販売する


方がいる。3番目のバス停も沢山乗車


されるが、2番目のバス停で20席以上


空いていたら、それをポーターさんに


何席空いています。と報告し3番目の


お客さまに、ここまでしかご乗車


出来ません。などとお断りしていた。


短い間に色々な事をしなければならず、


トラブルも多発していた。


ヒデちゃんは、それでも空港リムジン


勤務が好きでした。


夜が明ける頃に出勤し、


飛行機の時間に間に合う様に、


乗車と荷物を手際良く捌き、


運転もスムーズに上手く走らなければ


ならない。


お客様は、ヒデちゃんを毎日リムジンバス


を担当していると思っているみたい。


私は自信がありますが、殆どの乗務員は、


リムジンバスの勤務を嫌がっていた。


失敗が怖いのと、独特の緊張が嫌だから。



殆どの乗客は旅行に行く為に


リムジンバスを選んで利用してくれます。


残りは出張や空港関係者の方です。


リムジン担当の際、殆どの乗務員はマイク


案内はしません。自動アナウンスがある


のと、マイク案内が下手という理由から。


私は旅の雰囲気を盛り上げるために、


空港到着予定時間と、シートベルト着用の


お願い、車内のお手洗いの場所などを


案内し乗り心地良い運転を心がけていました。


朝のラッシュ時間帯に高速道路を


走行するのだが、速度にあったレーンの


選択、周りの状況をみて自分のもっている


バス運転の技術をフルに活用していた。


そのお陰で予定時間より早く到着できた。


稀に事故渋滞などが発生して、


迂回経路を走行する際も、お客様が不安に


ならない様に、到着予定時間を伝えていた。


迂回の場合、遠回りになるが


到着予定時間に着いてお客様に


喜んで頂いた。


何回もリムジンバスを担当すると、運行指示書


(スターフ)の時間と、指示書に載っていない


目標物を通過する際、定刻なのか早いか


遅いかが判る様になる。




そして無事空港に到着すると、


降りられるお客様は、


明るく元気に「ありがとう!」


と言ってくれ、普段路線バスでは


味わえない、人の役に立っていると


やり甲斐を感じる事が出来る。


少しだけ旅のお供になれた瞬間だった。

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