かけがえの無い時間


体育館に入れば、シュートするジーク、止めようとするチャドとトロイの姿と、観覧席からトロイ達を見るガブリエラ、テイラー、マーサ、シャーペイ、ライアンの姿があった。


ライアンはマーサとペアになっていたようで、2人はとても楽しく、幸せそうに話していた。


ガブリエラ、テイラー、シャーペイはそれぞれ応援中だった。


トロイ達は練習を中断して私達に話しかけてくれた。


私がジェイソンに言われた通りに観覧席に行けば、ガブリエラ達は笑ってくれて、テイラーがガブリエラとの間に私を入れてくれた。


トロイの掛け声を皮切りに、紅白試合が行われた。


トロイとジェイソンが赤、チャドとジークが白に分かれて試合が始まった。


どちらも互いに譲らない試合展開で、チャド・ジークのチームが1点勝っていた。


そして、試合終了間際。


トロイから、ジェイソンにパスが回った。


そして、ジェイソンはその場からシュートを放った。


動くには時間が足りないと判断したからだと思う。


そのシュートは綺麗に放物線を描いて飛び…そのまま綺麗にゴールに吸い込まれた。


私でもわかる、劇的な逆転勝利だった。


ジェイソンは実感がわかないのか呆然と立ちっぱなしで、勝利の嬉しさから、トロイが呆然としていたジェイソンに近づき、飛びついた。


ジェイソンが飛びつかれた反動で転けそうになってちょっと慌ててたのがちょっとだけ面白かったのは内緒。


赤チームがハイテンションで勝利を祝っていると、トロイが「ジェイソン・クロス!ジェイソン・クロス!」と掛け声のようにコールした。


赤チームはつられるようにジェイソンの名をコールして。

ジェイソンはただただ驚いているようだった。


そのうち、体育館にいる全員がジェイソンの名前をコールし始めた。


それはしばらく続き、ボルトンコーチに叱られてからやっと止まった。


そこからまた少し練習があって、ようやく解散になった。


女性陣+ライアンはバスケメンバーが来るのを待ちながら、話に花を咲かせた。

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