少ない時間で


boys day当日。


女生徒は誰もが普段より着飾って、男生徒と共に過ごしていた。


ジェイソンも、ガブリエラと過ごしていま。


2人とも、とても幸せそうに笑っていた。

手を繋いだり、くっつきあったりして、その姿は本当のカップルみたいだった。


私は途中から音楽室に逃げて、新譜を仕上げる事にした。


ここからは、学校のバスケまでの間の時間に音楽室に来てくれたテイラー達から聞いた話。


まず、テイラーとマーサは何回もジェイソンの演技力凄い、って繰り返していた。


トロイに対して、ガブリエラを奪っちゃうよアピールとかしたりして煽ったりしつつ、メンバーと協力してトロイに感づかせたらしい。


ちなみに、喧嘩の原因は…トロイがバスケに一直線過ぎて、なんども約束を破ったからだったとか。


…私でも怒るよ、そんなことされたら。


そんなこんな話した後、新譜を弾いたり書いたりしていた時だった。


突然、音楽室の扉が開いた。


ビックリして振り返れば、バスケユニフォーム姿のジェイソンが居て。


「やっぱりここに居たんだね、ケルシー」


ジェイソンはふわりと笑って私の隣に来た。


「バスケ、戻らなきゃ!」


突然のことで驚き、ちょっとパニックになっていた私はそんな台詞が口をついて出た。


それを聞いたジェイソンは笑い声を上げ、私の頭を軽くぽんぽんした。


「トロイ達には了承を得てるから大丈夫だよ、心配しなくても、ね」


私は安心して、笑顔になった。


それを見たジェイソンはまた笑って。


ジェイソンの笑顔をもっと見ていたい。


ジェイソンと、もっと話していたい。


そう思ったのと同時に、言葉が口をついて出た


「…boys day、もう遅いけど…私と一緒に…」


そこまで言うと、ジェイソンから後ろからふわりと抱きしめられた。


心臓が壊れそうな程、高鳴って。


「もちろんだよ、ケルシー…僕も、boys dayは…君と一緒に居たかったからね」


顔が真っ赤になってるのが自分でもわかるほどだった。


「ねぇ、ケルシー…僕のバスケする姿、見てて欲しいんだけど…駄目かな?」


「私も、ジェイソンのバスケする姿…見て見たい!」


私がそう告げると、ジェイソンは私の手を引いて立ち上がらせると、その手を引いて軽く走り出した。


私は、必死にそれについていった。





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