問題だらけ


チャドと話し終えると、ジェイソンが私のところにやってきた。


「…トロイの奴」


ジェイソンは少し怒ったような表情で呟いた。


「トロイがどうかしたの?」


私がそう話せば、ジェイソンは大きな溜息をついた。


「ガブリエラと喧嘩したんだよ」


私がガブリエラに聞いたの?と尋ねれば、ジェイソンは聞いてないよ、単に予想がつくってだけだよ…って苦笑いした。


「…どうしたもんかなぁ」


ジェイソンは悩んだ様子で呟いていた。


「わ、私に手伝える事があったら何でも言って!」


私は、それしか言えなかった。


「うん、ありがとうケルシー…頼りにしてるよ」


ジェイソンはそう言って笑うと、私に優しくハグをした。

私はびっくりするやら動揺するやら緊張するやらドキドキするやら、ある意味パニック状態になった。


「仲直りさせる方法を考えるにしても、ガブリエラがあんだけ怒ってるから謝罪は逆効果っぽいしなぁ…」


ジェイソンはぶつぶつ独り言をボヤきながら、うろうろと歩いていた。


「…大丈夫?」


つい、そんな言葉が口をついた。


「…正直言って大丈夫じゃない、悲惨だよ」


ジェイソンは困ったような、悲しいような表情になっていた。


問題だらけのboys day、果たしてどうなってしまうのか


私達にすら、わからなくなってしまった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る