世界は一度終わったようです
腐りかけ@
第1話
割れた旧時代のコンクリートの上を大きな亀裂や障害物を避けてバイクで走っていく。
旧時代の知識集めが趣味の友人曰くハーレイダビットソンというらしいバイクのエンジン音を残して駆けていく。
ビルが立ち並ぶエリアでバイクを降りる。
旧日本関西エリア大阪が俺の今いる場所だ。ここは未探索のエリア気を引き締める必要がある。
バックパックに付けていたP90サブマシンガン二丁を構えながら進む。当然セーフティは解除済み。倒壊したビルでできたアーチをくぐる。
途中書店と思われる場所があった。知り合いのためにまだ読めそうな本を10冊ほどバックパックに詰め込む。少々特殊なものなので行動に支障はない。
書店をでた。
下手に戦闘音をたてたら集まってくるだろう。
周囲を見渡すためにまだ丈夫そうなビルの屋上に登る。上からでも乗用車ほどもあるハウンドタイプの敵性体を確認できる。バックパックから取り出したアキュラシーインターナショナルAS50
のスコープを覗くハウンドの一体を視界に収める。
「目標ハウンドタイプ狙撃を開始する」
誰に聞かせる訳でもないがそう呟く。
レティクルの中心を頭部に合わせる。
使う弾は実体を持たないので風や重力を計算しなくていい。引き金を引き絞る。
パシュゥゥゥゥン
本来の銃ならばまず出ないだろう音とともに緑の光る弾丸が飛んでいく。
ハウンドの頭に命中する。その後盛大に脳漿を撒き散らしていることだろうが、俺はそれを見ることなく次の目標に標準を合わせた。
数10分後25体を狩ったところで視認できる範囲にハウンドがいなくなった。
13体目あたりで見かけた頭が3つあるハウンド(仮称ケルベロス)は頭を1つ消し飛ばしてもピンピンした上に即再生していたので3つを一気に消し飛ばす必要があるのだろう。
(これは博士に要報告だな)
階段を下りながら考える。
油断していた。一仕事を終えて周囲に敵はいなくなったと慢心していた。
だから横から飛び出してきたハウンドに対応が遅れた。
「ッガァッッ」
ドゴンと砂煙をたてながら壁に押し付けられる。身体が痛いだけで済んでいるのは超越者たる恩恵だろう。
襲ってきたヤツを見る。そいつは先ほど頭の1つを吹き飛ばした仮称ケルベロスだった。
レッグホルスターから抜いたデザートイーグルを食らいつこうと開いた口に7発スライドオープンするまでぶち込んでやる。
「………マナの銃弾の味は如何だ?犬っころ」
カッコつけたはいいが仰け反っただけですぐに頭が3つに戻る。
俺は頭が回復するまでの一瞬をついて迷うことなく疾走した。
(速いこのままではジリ貧だ)
普通のハウンドならば全力で走れば振り切れていた。差が縮まる事は今の所無いがケルベロスはついてきている。
このまま走っても体力が先に尽きるのはこっちだ。首を3つ吹き飛ばそうにも弾を生成したり、それを込める暇がない。
今使えるのは、もともと登録してあるものだけ。
(仕方がないヤるか)
マナがゴッソリ持っていかれるのを感じた。創り出したのは通称パイナップルと呼ばれる手榴弾。これにマナを有りっ丈込める。
「ほら最後の晩餐だ味わって食べろ」
顔に向かって投げつける
爆発
緑の粒子を撒き散らしながら炸裂した。
爆風の影響で俺もゴロゴロと転がる。
(クッソやっぱ適正がない事はするもんじゃねぇ)
バイクを置いた場所までの道中腹いせに出会うハウンドを片っ端からP90で潰した。
ハーレイダビットソンにまたがりエンジンをかける。バイクを反転させ旧関東エリア東京を目指す。
世界は一度終わったようです 腐りかけ@ @tamamo
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