第9話 平和な時間

今日の朝は西沢が家に来るから念のために早めに起きることにした。

だが約束の時間になっても来る気配はなく、仕方が無いので

俺が西沢の家に行くことにした。


「西沢の家って確か学校の反対方向にあるんだよな。

行くのめんどいなぁ…」


10~15分歩いてようやく西沢の家にようやく着いた。

全くいきなり約束を破るとは、少し何か言った方がいいのかな?


「急がないと急がないと。はやく新城くんの家に行かないとダメなのに!」


そう言いながら西沢はドアから出てきた。


「あれ?どうしてここに新城くんいるの?」

「西沢が遅いから俺が来たんだ」

「あ、あのさ。新城くん」

「どうした?」

「ごめんね、怒ってるよね。せっかく約束したのに遅れちゃって。ごめんね」

そう言う西沢の目には涙がこぼれていた。

「いいんだよ、西沢がちゃんと約束を忘れてなかったから

そのことが分かっただけでそれでいいんだよ。いつまでも気にすんな。

さっさと学校行こうぜ」

「うん」


俺たちはまたこうして昨日と同じように一緒に登校した。

今まで俺をからかっていたやつらも俺らが一緒に通っているのが

当たり前だと認識すると何も言わなくなってきた。

こうして2人の平和な時間が今日も続く。

それが幸せなことだと実感したんだ。















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