第5話 小さな世界
退屈な日々が続く中、今日という日が訪れた。
「おーいみんな席につけー。欠席は西沢だけか」
西沢が休むなんて珍しい日もあるんだな…。
今日の授業も退屈だった。
そう、もしかしたら世界は悪循環だらけなのかもしれない。
だから何も面白くない。
…と思ってたんだ。でも、最近は少しこう思うようになったんだ。
もしかしたら世界は楽しいことで溢れてて、実は自分はそれに
気づいてないだけかもしれない。
だから俺はもし何かを変えようとすれば世界は大きく姿を変えるかもしれない。
そう信じてみようって少しだけ思ったんだ…。
「よーし、みんな今日はこれで話しは終わりだ。
あーあと誰か休んでる西沢にプリントを届けてやってくれないか?」
「じゃあ俺持っていきます」
「おお、新城か。じゃあよろしく頼むな」
おいおい、あいつ男子なのに女子にプリントを届けるのかよ。
あいつ、もしかして西沢のこと好きなんじゃねーか?ははは。
「こら!お前ら静かにしろ。なら新城頼むな」
「は、はい…」
クラスのみんなの痛い視線が辛かった。
どうしてちょっと変えようと思っただけでまたこんなに辛い目にあうのか。
俺はその時思い込んでしまった。
結局、世の中頑張ろうが頑張らないが何をしようが無駄だって。
だって目の前の世界はこんなに冷徹でこんなにつまらない…。
真面目に生きる方がバカだったんだ…。
その時の俺は物事の一面しか見えてなかったんだ…。
いや、それは俺をバカにした連中も分かってなかったんだ。
だからこそ、この行動が未来を変える小さなきっかけになったということを
その時の俺は知らなかったんだ…。
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