静かな復讐【07】

 その夜の捜査会議で今回の被害者も東城を殺害した犯人と同一犯であるということがわかった。

 これは、現場の魔力残渣が東城の殺害現場から検出された魔力残渣と一致したことから判明した事実だ。

 被害者の身元は渡部哲也32歳。職業無職。渡部と東城には接点があることが捜査一課の調べでわかった。

「第一の被害者東城要と第二の被害者渡部哲也は同じ高校の出身だったようです。在学中彼らに交流があったかどうかはこれから捜査していくつもりです」

 捜査一課の係員の報告に捜査本部の捜査員たちはうなずきながらメモを取っている。

「よし、次鑑識」

「はい。被害者は心臓を人突き刺されたことによる刺殺。傷口の具合から見て、袈裟切りされてからとどめに一突きだと思われます。現場から微量の魔力が検出されたので科警研に魔力残渣鑑定を依頼しました。その結果、東城を殺害した犯人の魔力反応と一致しました。このことから、第二の犯行と見て間違いないでしょう」

 米村の報告に捜査本部の刑事たちがざわつく。杉田が下川に尋ねる。

「管理官、増員かけますか?」

「いや、このままの体制でいこう。被害者の共通点は掴んでいるんだ。とにかく、二人の高校の関係者で魔法師である人物を徹底的にあたれ」

 下川の言葉に捜査員たちはうなずく。

「それと、魔法捜査係と機動強襲室のメンバーは犯人検挙に備えてくれ。二人の人間を殺した犯人だ。慎重に捜査にあたり、逮捕は魔法師であたる。それじゃあ、解散」

 下川の指示に捜査員たちは勢いよくうなずくと素早く会議室を後にした。

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