第14話「夢の結末」

 あのね、最近奇妙な夢をよく見ていたの。

 夜にコンビニによって帰ろうとすると、後ろから男がついてくる夢。

 帽子を目深にかぶった黒づくめの男でね、なんだか印象が不気味なの。

 そして、夢の中では必ず男は私のことを追いかけてきてね、

 そう…近くにいるタケシくんのお兄さんをさらっていくの。

 …そんな夢が毎日のように続いていた…。

 そしてあの日、私はとうとう出会ってしまったの。

 そう、夢の中とまったく一緒。

 帽子を目深にかぶった、黒づくめの男。

 それが、コンビニの中から出てきて私を追いかけ始めたの。

 もう、おそろしくてたまらなかった。

 でも、その距離はだんだんと狭まってきてね、

 そうしてついに、偶然近くをとおりかかったタケシくんの兄さんを

 捕まえてしまったの。

 私は思ったわ、「ああ、夢のとおりになってしまった」って。

 でもね、そのとき、私は気づいたの。

 そのひとはタケシくんのおにいさんじゃない、

 タケシくんだったのよ。

 そしたら、その男の人は抱えたはずのタケシくんを地面におろすと

 こう言ったわ。

「なんだよ、夢とちがうじゃねえか!」…ってね。

 …そうして、男はようやくやってきたタケシくんのお兄さんを抱える

 と、怒りながらどこかへと消えて行ったわ…。

 

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